年末の下落の反動や円安を好感して買われ、昨年8月高値(引け値ベース)を更新清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年01月04日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 「大発会」と言っても後場まで取引があると何となく「正月」と言う雰囲気でもなく、相場も前場は買い戻し中心に大幅高となる場面もあったのですが、後場に入ると買い気も乏しく、市場参加者の少ないなかで上げ幅縮小、上値の重い展開となりました。それでも、逆に売り叩く動きも見られず目先筋の買戻しもあって、日経平均は昨年8月の引け値ベースでの高値を更新して引けました。

 新システム「アローヘッド」は特に混乱もなく終わったようですが、多くの人は「何がどうなったのか」よく分からなかったのではないかと思います。顧客向けに東証と同じサービスを即座に提供している証券会社も多かったようですが、とりあえず見たことがないものが見えるということで戸惑った向きも多いのではないかと思います。鳴り物入りで始まった割りには、所謂「フル板情報」などもどこまで理解しているのか?と言う気がします。

 新システムになったからということではないのですが、何となく株式投資(投機?)がますます「パチンコ化」しているような気がして来ました。パチンコでも昔は今のように(と言ってもここ何十年もパチンコをやったことがないので、伝聞推定の世界ですが・・・)当たるか外れるか、というよりは釘の位置を見極める目と玉を弾くスキルで「出る・出ない」が決まったのですが、今は単純に「運」と言う気がします(違っていたらごめんなさい)。

 株式市場も「早いもの勝ち」で誰が最初に気がついたか、だとか注文を出すスピードだけの勝負では「株式投資」とは言えないのではないかと思います。時代の趨勢、世界標準といえばそれまでで、決められた中で、現状の範囲で出来ることを考え、効率よく資金を運用しなければならないのでしょう。ただ、どんなスピードのシステムであれ、世界経済の方向性の読みや市場参加者の心理の分析などをじっくりと考えた方が株価の方向性は見えて来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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