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» 2009年12月29日 12時52分 UPDATE

杉山淳一の +R Style:第22鉄 駅マンションに新撰組――“情報の秘境”流山線をゆく (1/5)

上野駅から常磐線で約30分。流山線は、馬橋駅から流山までを結ぶ、わずか5.7kmのローカル鉄道だ。地元の名士によって作られたこの路線に乗って、新撰組ゆかりの地を歩いてみた。

[杉山淳一,Business Media 誠]

 上野駅から常磐線で約30分の馬橋駅。ここから小さなローカル鉄道「流山線」が発車する。終点の流山まではわずか5.7km。地元の日常生活に密着した路線で、鉄道ファンからは、「日本で唯一、公式Webサイトを持たない旅客鉄道会社」としても知られている。そんな“情報の秘境”流山線を旅して、珍しい建物、史跡、夕暮れの風景に出会った。

ay_map.jpg 今回のルート(GoogleMapsで、筆者による地図のコメントと説明を読むことができます)

ちょっと待った。鉄道ファン魂をくすぐるアレは何?

 “馬橋”という駅名は、いかにも街道の要所という印象だ。馬橋は水戸街道にかかっている橋で、鞍の形に似ているところから名付けられたという。見に行きたいが、何も予備知識なしで出てきてしまったし……と思っていたら、常磐線の電車を降りたところで気になる建物を見つけた。「鉄道用品株式会社」とある。レール、犬釘、枕木と看板に書いてある。もしかしたらこれは鉄道グッズやさんかもしれない!?

ay_01.jpg 馬橋駅に隣接する「鉄道用品株式会社」。残念ながら小売りはないようす

 鉄道中古部品は、毎年10月、鉄道の日前後で即売会が行われる。でもここなら通年販売しているかも……と思ったら大間違い。訪ねてみたら、本物の鉄道会社向けに資材を調達する会社だとお仕事中のおじさんが教えてくれた。冷やかしてすみません。お邪魔しました。

 納得できたので電車に乗ろう。流山線の始発駅である馬橋のホームは、木造屋根のたたずまいが懐かしい。電車は西武鉄道の中古で、昭和時代に流行した正面2枚窓の「湘南形」系の顔をしている。常磐線には銀色の電車がびゅんびゅん走るけれど、こちらは昭和の風景だ。駅員さんに尋ねたら「フリーきっぷ」の類はないという。とりあえず隣の駅まで120円のきっぷを買った。この金額なら、全部の駅を降りても数百円だろう。乗車の記念品としては、いくつか記念きっぷが販売されているようだ。

ay_02.jpg 流鉄の馬橋駅。昭和の雰囲気たっぷり

 流山線は流鉄株式会社が運行している。簡潔で思い切りの良い会社名だ。かつては総武流山電鉄といった。副業でいくつか不動産事業も営んでいるものの、ほぼ鉄道事業専門の会社だという。わずか5.7km、6駅の小さな路線を地道に運営している。バス事業もレジャー事業もなし、タクシー部門も廃止してしまった。そんな潔さが鉄道ファンには愛おしい。電車もコンパクトな2両編成と3両編成で、西武鉄道の中古車両を大切に使っている。全線単線だが、すれ違い設備をフル回転させて、朝は13分、日中も20分間隔で運行している。頑張っている電車である。

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