売り手不在(?)の中、「掉尾の一振」に期待した買いが入り大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月28日 16時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 「鬼の居ぬ間に・・・」ということでもないのでしょうが、外国人がクリスマス休暇となっているなかで大幅高となりました。鉱工業生産指数の発表などを材料視する向きもありましたが、特に材料が出たわけでもなく、目先の需給好転や年末高=「掉尾の一振」を期待した買いなどが入ったものと思います。8月高値水準まで戻ったことで値動きの良さが先高期待に繋がったこともあるものと思います。昨年の今頃と水準こそ違えど「来年こそは・・・」と言う期待も高まったものと思います。

 この時期になると、来年の相場はどうですか?ということが挨拶代わりの話題となります。来年も業績回復、景気回復は期待されるものの「デフレ」が脱却されないことには本格的な回復とはならないと思います。デフレが脱却されるとこんどはすぐに「バブル」などとの懸念が強まるのでしょうし、「バブル」の懸念が強まらないと景気回復=デフレ脱却と実感できないのではないかと思います。今年も「派遣村」が出来たようですが、「こども手当て」にしても同じですが、こうした「施し」や「バラマキ」が根本的な解決にはならないと思います。

 例えば子供手当て、でも一人月に2万円の手当てを渡すのであれば、幼稚園から高校まで「給食」を無料にすることもできるでしょうし、貯金に回らず、お金の流れが出来るという意味でもその方が経済への効果が大きく、ひいてはその過程の所得が回り回って増えることになるでしょう。私立の学校でも同じで、「食堂」や「給食」を充実させる方が子供手当てよりも良い気がします。

 「派遣村」にしても、企業がしっかりと収益を上げて余裕を持って雇用が出来れば問題はないわけであり、企業が利益を上げられるような政策=円安政策、エコポイントなど施策を充実させること、つまり、デフレを脱却させて、お金の流れを良くすることが必要なのだと思います。バラマキや施しで資金を固定するのではなく、投資が投資や投機を呼ぶような資金の流れをつることが必要なのだと思います。そうすれば、PBR(株価純資産倍率)などで割安感が出ている銘柄などは見直されてくるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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