御社の会議、面積効率はどれくらい?(1/2 ページ)

» 2009年12月25日 08時00分 公開
[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)

東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ


「会社の床面積が増えているにもかかわらず、電力量がそれに比例して増えていない。その理由は何か?」、そんなことをビルは考えるのです。

 成毛眞氏があるメルマガ※で語っていた言葉が、とても印象に残っている。ビル・ゲイツはこのように、ひたすら数字をチェックする経営者だったという。それこそ「バカみたいに細かいところまで数字を見ていた」そうだ。

※JMM [Japan Mail Media] No.140 Wednesday edition/2001年11月14日発行「シリーズ“メディア”Chapter3 対談:成毛眞×村上龍」第1回目。

 どう見るかというと、売り上げや利益、原価や支出などを10年分くらい重ねて、時系列での変化を見たり、ある商品モジュール群での変化を見たりといったもの。現場を見るよりも、とにかく数字を精査することで経営のかじ取りをしていたようだ。

 では、もしビル・ゲイツが会議の効率を何らかの数字を指標として判断するなら、何を指標とするだろうか。

 当然、コストである。一番に挙げるべきは、その会議にかかっている人件費だろう。これは会議参加メンバーの時給(厳密には諸経費を含めるなら、単純時給×3くらいになる)×参加人数×所要時間(厳密には参加メンバーの移動時間を含む)ではじくことができる。

 次は会議室の光熱費に加えて、飲み物を出すならその分の経費も加えなければならない。そして意外に見落とされがちなのが、会議室の使用料だ。会議の効率性を量る指標であれば、会議に使用した空間の広さ×その空間を占拠した時間×単位面積あたり使用料も考えるべきだろう。

 ということは、例えば時給数万円クラスの重役が10人くらい集まって(しかも全国各地から交通費も使って)、都心の一等地にある本社の広々とした会議室で、お昼には豪華な仕出し弁当でも取って、1日じっくりと話し合いでもしたら、相当なコストをかけることになる。当然、対価に見合うだけの価値をその会議では叩きださなければならない。

 とまあ、これは極端な例だが、会議にかけられているコストと、その会議から生み出される新たな価値を天秤にかけて、会議の生産性を意識している人たちはどれくらいいるだろうか。

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