引き続き円安や米国株高を受けて買いが先行、連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月24日 17時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 引き続き堅調な地合いが続き、連日の大幅高となりました。 米ドルばかりではなく対ユーロでも円安に振れて輸出株などを物色する動きが続くと同時に、電力株や医薬品株、食品株などのディフェンシブ銘柄も買われるなど「円キャリー取引」と見られる持高調整の買いが入っているものと思われ、ほぼ全面高となりました。銀行株や陸運株の一角が軟調となりましたが指数の足を引っ張るほどの売りもなく終始堅調な展開となりました。

 昨年もこの時期は円高一服となって戻りを試すような動きとなりました。毎年この時期になると「掉尾の一振(ちょうびのいっしん)」と言う事が言われ、堅調な相場が期待されます。1989年の年末には日経平均が最高値を付け、「来年は50000円」とか「3年以内に10万円間違いなし!」などと言われたものです。また2005年末には「来年は個人投資家の時代となる」などと言われて、インターネット証券を中心に大いに盛り上がった記憶があります。

 総じてこの20年間はこの時期には「来年こそは!」と言うことが多く、年賀状の文章も「今年こそはいい相場であるといいですね」などというコメントが出ていたような感じです。そして「来年の相場は」と言う質問も多く、「寅年は・・・、云々」と言うことが巷で言われることが多いと思います。ただ、「来年の相場予測」ほど当たらないものも多く、いわば一つのイベントとなっているような感じです。

 ただ、「来年の相場は」と言うように先行きに対する見通しを常に持って相場に対処することは必要で、大きな流れの変化を捉えるためにも、1月は年初から「アローヘッド」が導入されて、・・・・7月には参議院選挙があって、などとイベントなどの予定、そして相場への影響、個別銘柄への影響などを整理しておくことは必要なことだと思います。常にそうした整理をし、微調整をしなければならないのですが、その区切りとして「正月休み」を利用する手はあると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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