引き続き円安や米国株高を受けて買いが先行、連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年12月24日 17時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10536.92円 △158.89円
売買高 19億3808万株
日経平均先物 10510円 △160円
売買代金 1兆4043億円
TOPIX 913.72 △10.66
値上がり銘柄 1048銘柄
東証マザーズ指数 412.96 △0.62
値下がり銘柄 495銘柄
日経ジャスダック平均 1167.57円 △7.15円
変わらず 136銘柄
騰落レシオ 104.86% △7.52%

日経平均

引き続き円安や米国株高を受けて買いが先行、連日の大幅高

 日本市場が休日の間の米国市場が堅調となったことや為替が円安となったことから買い先行の始まりとなりました。欧米市場がクリスマス休暇となるなかで外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も堅調な地合いが続きました。節目と見られる日経平均の10500円を意識する、あるいは超える場面では上値の重さも見られましたが、目先筋の売りをこなして堅調な地合いが続きました。

 後場も持高調整と見られる買いも入ったものと思われ、一段高となりました。さすがに10500円を大きく超える水準では上値も重くなりましたが、円高に振れる場面でも買いが続き目先筋の売りをこなして堅調な地合いが続きました。円相場が下期想定レートを越えて来たことやパソコンの販売増などが好感されてハイテク銘柄が高いなど業績回復期待から輸出株を中心にほぼ全面高となりました。持高調整の買いが最後まで入っていたものと思われ、引けを意識する時間帯でも値持ちが良く、最後も買いが入って結局節目と見られる水準の範囲ではあるものの大幅高となりました。

 小型銘柄も堅調なものが多かったのですが、主力銘柄の値動きがいい事から見送り気分も強く、上値も限定的となりました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均など総じて堅調となりました。先物も散発的にまとまった買戻しなどは見られましたが積極的に買い上がる動きも、売り叩く動きもなく、指数を方向付けるような動きはほとんどありませんでした。ヘッジ売りやヘッジ売りの買戻しが散発的にあるものの目先筋の小掬い商いが中心となっていたようです。

 後場に入ってから一段高となる場面がありましたが、為替が円高に振れるなどちぐはぐな動きが見られました。相対的な日本株の出遅れ感からの買戻しや持高調整、円キャリー取引での持高調整の買いがあったのではないかと思います。銀行株などの金融株や電鉄株の一角、電鉄株などは軟調ですが電力株や医薬品株、食品株などのディフェンシブ銘柄の堅調なものが見られ水準訂正となっているのだと思います。指数はこの水準からが上値は重いものと思われ、ちょうど昨年から今年の始めと同じ様な動きとなるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 「三役好転」を確認する格好となりました。RSIには上昇余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏になっており、強含みではあるもののいったん、押し目を確認するような動きとなるかもしれません。雲の下落している日柄にあたり、雲までの調整となると言うよりは雲の抜けた水準=節目と見られる水準である10200円前後を下値のサポートとして底堅さを確認し、水準訂正となるものと思います。8月高値を窺う場面では目先的な過熱感も出て上値は重くなるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 節目の一つを抜けて来ましたが、雲の上限を窺いながら上値を確認する動きとなっています。RSIには上値余地はあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったん雲の上限に押されて押し目を確認するような動きになるかもしれません。それでも底堅さが見られれば「三役好転」となるので、強含みの展開となるのでしょう。

円相場

NYダウ

 「三役好転」となって堅調な地合いが続いていますが、上げ一服となりました。10月高値水準を意識していったん上値も重くなったものと思います。それでもストキャスティックスは高値圏にあるのですが、RSIは上値余地もあり、引き続き堅調な地合いが続くのではないかと思います。うまく行けば、この10月高値水準でのもみ合いで底固めとなって水準訂正となる可能性もありそうです。

銘柄ピックアップ

円安を好感してハイテク銘柄を中心に堅調

日電硝(5214) 1298 △144

 22日の大引け後に2009年4−12月期の連結営業利益が前年同期比18%減になりそうだと発表され、従来予想を上回ったことから好感した買いが入り大幅高となりました。

しまむら(8227) 8390 △100

 2009年3−11月期連結営業利益が前年同期比10%増となったもようと新聞で報じられたことに反応、増益基調が続いていることを好感した買いが入り堅調となりました。

塩野義(4507) 1980 △31

 来年1月にも新たしいインフルエンザ治療薬を国内で発売すると新聞で報じられ、好感する買いが入り買い気配で始まるなど一時大幅高となり、戻り売りをこなして堅調となりました。

日新糖(2116) 192 △9

 前場引け後に2010年3月期の期末配当を創立60周年に際して記念配3念を上積みすると発表、高配当利回りを好感する買いが入り大幅高となりました。

エルピーダ(6665) 1481 △94

 大幅高となりました。22日に最先端の高速DRAMの量産を始めたと発表したことから、先端装置の導入と微細化技術の適用で生産量が3割程度増える計算になり、シェア拡大が期待されて買いを集め、11月のパソコン出荷がデスクトップ型でも17カ月ぶりに増加したことも買い急がせる要因となり上げ幅を広げました。

シャープ(6753) 1168 △26

 8カ月ぶりに年初来高値更新となりました。為替が円安に振れたことに加え、世界最高効率の太陽電池を開発したと報じられたことや世界的な景気回復やえ「エコポイント制度」の効果で液晶テレビや部材需要が引き続き好調、業績上振れを期待した買いも入ったものと思います。

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