子どもだましじゃありません。好奇心をくすぐるカメラ「Bigshot」郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2009年12月24日 11時00分 公開
[郷好文Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

世界中の子どもたちの真ん中に

 このカメラの意義は、情報を教えることだけにあるのではない。みんなでパーツを組み立てていると、コミュニケーションが生まれる。ニューヨーク、ベトナム、そしてインドで行ったフィールドテストでは、6歳から15歳までの子どもたちが参加。手とドライバーだけでカメラを組み立てられるので、科学系に進む比率が低い女の子にも作れる。

 午前に組み立てて、午後に撮影。みんな目が輝いている。実は今回、教授が来日した目的は、東京の子どもたちを対象としたBigshotのフィールドテスト。東京の子どもたちの目も輝いただろうか? ちょっと心配ではあるが、撮影した写真をWeb上にアップすれば、インドもベトナムもニューヨークも東京も共通体験で1つになれるだろう。Webサイトにアップされた子どもたちの撮影写真、どれも“Bigshot(ぐっとくる1枚)”なのだ。

 「私がやりたいのは教育。カメラはスタートポイントにすぎない」

 教授は「Create(創り)」「Learn(学び)」「Express(表現する)」という3つのコンセプトを示した。その真ん中にBigshotがある。

好奇心を育てるファインダー

 大人は記録のために写真を撮るが、子どもは自分が新鮮だと感じたことを撮る。写すことで、自分が何に興味を持つかを知る。子どもは未来を撮る。Bigshotは“好奇心を育てるファインダー”なのである。

 さて、今日はクリスマスイブ。このBigshotを子どもたちに届けたいけれど、今はまだ試作品。1台3000ドル(27万円)もする。何とか100ドル(9000円)くらいに下げて広めるのが教授の夢だ。私も同感。

 そこで、大人に事業開発の夢をプレゼントしよう。「Bigshotを作ろう!」と思う好奇心のある会社、筆者にご連絡ください。来年のイブまでに実現しませんか。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.