著者プロフィール:伊藤達夫(いとう・たつお)
THOUGHT&INSIGHT株式会社代表取締役、東京大学文学部卒、認定エグゼクティブ・コーチ(JIPCC)。コンサルティング会社にて食品、飲料、化学品メーカーなどのマーケティング寄りのプロジェクト、官公庁などのプロジェクトに携わる。その後、JASDAQ上場の事業会社に移り、グループ戦略、事業戦略、業務改革などに携わる。結果的に最年少でのマーケティング部門、部門長となる。ブログ「ゆるーいコンサルタントな日々」
「独立してコンサルタントになりたいんです!」と言う人が多いそうです。私もそういう人とお話ししたことがあります。
「何で?」と聞くと、「自己資金が少なくてもいい。設備がいらないし、在庫も持たなくていいし、教えればいいだけだから簡単に始められます。手っ取り早くやるならコンサルタントですよね」らしいです。なるほど、いいことずくめですね。
「でもさー、仕事どうやって取るの?」と尋ねると、「マーケティングパッケージを作ったので、御社の顧客を紹介してください。コラボレーションの時代ですから」ときた。爆笑しました。確かにコラボレーションの時代なので、太っ腹な経営者ならOKをくれるかもしれませんね……。
上記のお話は、ある経営者の方が私に「こんなやつがいて笑った」と語ってくれたお話です。
顧客リストは会社の大事な資産です。お金の源泉です。それを普通はくれません。持ち出したら犯罪です。個人情報保護とか言いますけど、そうではなく、本質的にはお金を盗むことと一緒です。
もっと驚くのが、「どこのコンサルティングの会社でどんなプロジェクトをやってたの?」と聞くと、「コンサルティングの会社にいたことありません」。
さらに爆笑。「え? やったことがないことを独立してやるの?」「はい」「何で?」「さっきも言ったじゃないですか。自己資金が少なくていいからです。設備がいらないし、在庫も持たなくていいし、教えればいいから簡単に始められます。手っ取り早くやるならコンサルタントですよね、って」
爆笑が止まりません。「そうなんだ。頑張ってやってみてね。ばいばーい」と面白おかしく書いていますが、こういう人は本当にいます……。
もっと昔だと、脱サラしてラーメン屋などをやる人がたくさんいました。その後だと、コンビニオーナーでしょうか。
脱サラしてラーメン屋になろうという人も、ラーメンブームの前はラーメン屋で働いた経験のない人が多かったと思います。「ラーメン屋くらいやれるだろう」と。激戦であることを今はみんな知っているので、少ないと思いますが。
コンビニオーナーになる人が小売りで働いたことがあるかというと、「ない」という人が多いでしょうね。「経験がなくても、マニュアルがあるからできる」というのがフランチャイズ募集のうたい文句だったりします。でも、普通に考えれば、「おかしい」と分かりますよね。ここまで読んで、おかしいと分からない人は相当重症です。胸に手を当てて、反省してください……。
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