好決算に素直に反応し、好業績銘柄が物色されて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年12月21日 08時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10328.89△20.63

<NASDAQ>2211.69△31.64

<為替:NY終値>90.48-90.54

好決算に素直に反応し、好業績銘柄が物色されて堅調

 週末の米国市場は好決算を発表した銘柄が素直に買われ、連れてハイテク銘柄などが物色されて堅調となりました。これまで「ドル安メリット」や商品市況に反応して買われていた銘柄などは軟調なものも見られましたが、先物オプションの最終売買日ということでの需給調整なども値ごろ感からの買いにつながり、指数を押し上げる要因となりました。循環的なものなのだと思いますが物色銘柄に変化も見られるのかもしれません。

 クリスマス休暇シーズンに入るということで、手仕舞いの売り買いが中心となっていたようです。これまで商品市況の上昇やドル安メリットで買われていた銘柄などは軟調となるものが見られ、逆にハイテク銘柄などを中心に買われました。クリスマス休暇入りをきっかけに物色の矛先に変化が見られるのかもしれませんが景気回復、業績回復を織り込む状況には変わりは無く、引き続き強含みの展開となるものと思われます。

 個別には前日の引け後に好決算を発表したオラクルや四半期決算や業績見通しが予想を上回ったリサーチ・イン・モーション(RIM)が大幅高、連れてインテルやモトローラ、マイクロソフトなどハイテク銘柄が堅調となりました。四半期決算が予想を上回ったナイキも買われるなど決算に素直な反応となっていました。一方、ゼネラル・エレクトリック(GE)やボーイング、キャタピラーとったドル安メリット銘柄、大型株の一角が安く指数の足を引っ張る格好となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株が大幅安となったことや円高を嫌気して売り先行となりました。キャリートレードの手仕舞い売りなどもかさみ、大きく下落する場面もあったのですが、底堅さも見られ、後場に入ってから下げ幅を縮小して戻り小幅安となりました。為替も株価もキャリー取引の手仕舞い売りが中心と見られ、クリスマス休暇前の手仕舞い売りが出たものと思います。ハイテク銘柄の一角などは手仕舞いの買い戻しで堅調なものも見られました。

 米国市場が堅調となり、為替も円安に振れたことから輸出株を中心に堅調な展開が期待されます。シカゴ市場(CME)の日経平均先物はさえない動きとなっていますが、為替の落ち着きや持高調整の売りに一巡感が出れば反発となるものと思われます。ただ、政策の方向性、予算の決定などの方向感が定まらず、積極的な投資は控えられてしまう可能性もあり、上値も限定的となりそうです。底堅いながらも為替動向に反応しながら方向感のない展開となりそうです。

 節目と見られる10100円台半ばから10200円台半ばの動きが続いています。クリスマス休暇入りでますます市場参加者が減り、政策の方向が示されなければ引き続きこの水準でのもみ合いが続くものと思います。一段の円高や長期金利の上昇などが見られれば再び10000円を割り込むことになるのでしょうし、円安に振れる、あるいは企業業績の回復が顕著に見られるようなことがあれば再び上値を試すことになるのでしょう。依然として、少し先を見ても9500円から10500円の範囲での動きが続きそうです。

本日の注目点

◇12月の金融経済月報(日銀)

◇10月の全産業活動指数(経産省)

◇11月の貿易統計(財務省)

◇11月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

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