日本の地域活性が“何とかレンジャー”に委ねられちゃうワケ（2/3 ページ）

[INSIGHT NOW!]

　そして、もう一隊が秋田発・地産地消ヒーロー「戦う秋田名物超神ネイガー」である。

　日本海沿岸に広く伝わる来訪神「ナモミハギ」の伝承をモチーフとした、秋田発のオリジナル・ヒーローです。ナモミハギは大晦日や小正月に山から里へ下りてきて、人々の怠惰をいさめ、来たる年に祝福を与えていく歳神（としがみ）様です。全国でも秋田県男鹿市の「ナマハゲ」は有名で、荒々しい振る舞いと大きな音で邪気を祓います。

　ネイガーの名前の由来は「泣ぐ子（ご）は居ねがぁ！」「悪り子（ご）は居ねがぁ！」というナモミハギの叫び声から。秋田の正義と平和を愛する主人公、アキタ・ケン（秋田県在住・農業）は、悪の組合長セヤミコギ率いるホジナシ怪人たちと日夜戦いつづけるのです。

　負けるなネイガー！　がんばれ秋田！　というわけで、超神ネイガーは現在誠意活動中です。応援のほど、どうぞよろしく。

※超神ネイガー公式Webサイトより

　「地域を不況にしている奴は居ねがぁ！」で、ご丁寧に誠意活動中である。ディテールも素敵。

　「超神ネイガー」はフィギュアやCD、コミック、お菓子などさまざまなグッズが発売されており、携帯ストラップなどはなんと5万個も出荷する大ヒットを記録しているらしい。地方で、この完成度の高さは、日本ならではである。

　米国のヒーローものは、スーパーマン・スパイダーマン・バットマンが定番。どうやら日本のように、各地域にその亜流が生まれている様子はない。欧州の方も同じく。かろうじて発見できたのは、フランスの「フランス・ファイブ」。ホームページ自体が日本語対応をしているので、どうやら元ネタは日本の戦隊だろう。その出来映えを見る限り、日本は「何とかレンジャー」の分野においてはぶっちぎりである。