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» 2009年12月16日 19時36分 UPDATE

エコプロダクツ2009:ゴミ袋からスーツまで――“生分解性”がキーワードのエコ商品 (1/2)

[栗田昌宜,Business Media 誠]

 「生分解性」。

 物質が土中や水中の微生物によって分解される性質のことだ。天然の有機物は基本的に生分解性を持つため、「生分解性●●」とこの言葉が頭につくのは、プラスチックなどのように自然界では分解されない(されにくい)物質が生分解性を持つ場合に限られる。なお分解は生分解だけではなく、光分解や熱分解、酸化分解などさまざまなバリエーションがある。

 「エコプロダクツ2009」では、バイオマス由来、または生分解性を持つプラスチック素材・製品のメーカーやベンダーを集めた「バイオプラスチックパビリオン」が出展していた。バイオプラスチックの普及促進団体である日本バイオプラスチック協会は、バイオマス由来のプラスチックに「バイオマスプラ」、生分解性を持つプラスチックに「グリーンプラ」のシンボルマークと識別表示を認証して普及に努めている。

ネックは価格

 バイオマスプラとグリーンプラのシンボルマークをともに持つ製品は多いが、生分解性をメインに訴求している製品には、レジ袋や食品包装袋、フィルム、コップ、トレー、ストローなど食べ物に関連するものが多い。使用後は生ゴミなどと一緒に燃えるゴミとして出されたり、コンポストで分解処理されることを想定しているからだろう。

ah_seibunkai01.jpgah_seibunkai02.jpg 植物由来生分解性プラスチック製品を展示していたバイオプラスチックパビリオンのミヤゲンブース(左)、ケーエスピーの生分解性ゴミ袋やレジ袋の展示(右)

 生分解性プラスチックで注目したいのは、マルチと呼ばれる農業用フィルム。マルチで畝(うね)を覆っておくと雑草の繁殖を防いだり、地温の上昇抑制ができるため、農薬使用量の削減や農作業の省力化・効率化を行うことができる。ただしマルチは1回かぎりの使い捨てで、収穫後に畝からはぎ取って回収する作業や廃棄処理に費用がかかるのがネックだった。

 しかし生分解性マルチなら土壌にすき込めば水とCO2に分解されるため、回収や廃棄処理が不要。農業従事者が減少・高齢化する中で安心・安全な農作物を効率的に生産するためにも、生分解性マルチは今後ますます重要になっていくのではないだろうか。

ah_seibunkai03.jpg 生分解性の農業用マルチフィルムを使えば、回収作業や廃棄処理費用が不要になる。展示していたのは三菱樹脂

 ただしネックは、やはり価格。生分解性マルチを出展していた三菱化学のブース担当者によると、生分解性マルチは現在主流のポリエチレン製マルチよりも約3倍高価だという。なお同社は植物由来の生分解性プラスチック「GS Pla」を製造しており、現在は化石燃料由来成分で製造している生分解性マルチの原料をGS Plaに切り替える計画。GS Plaの生産量が高まれば、生分解性マルチの価格も下がっていくだろうとしている。

 なお生分解性プラスチックには、すべてが微生物によって分解されて水とCO2になる完全生分解性のものと、生分解性の原料と非生分解性の原料を混ぜて作った部分生分解性のものがある。土壌を考える場合は、完全生分解性と部分生分解性の差異にも着目したい。

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