高級輸入雑貨市場の縮小止まらず 2008年の市場規模は2ケタ減

» 2009年12月16日 15時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は12月16日、「高級インポート雑貨市場※に関する調査結果」を発表、2008年の国内高級インポート雑貨市場規模を前年比10.7%減の7557億円、2009年は前年比8.2%減の6935億円と推計した。

※欧米から輸入された腕時計、宝飾、陶磁器、クリスタル・ガラス製品、筆記具、アイウエア(サングラス・フレーム)、キッチンツールの7分野を指す。

 同研究所では、「2008年後半以降の世界的な金融危機による経済不況の下、“ブランド志向の強い中間層を中心とした一般ユーザー”の需要激減、ニューリッチ層の需要低迷。さらに、円高の影響で中国などのアジアからの観光客の需要減少も大きく影響した」と分析している。

高級インポート雑貨市場規模の推移(出典:矢野経済研究所)

 分野別に見ると、最大市場の腕時計の2008年の市場規模は前年比12.0%減の3780億円、2009年も前年比8.7%減の3450億円と推計している。矢野経済研究所では、「国内景気が混迷を深める中、売れ筋商品の中心価格帯がワンレンジ下にシフトした。結果として低中間層に新たな価格帯が創出されたが、単価下落というマイナス要因は大きく、市場全体を押し上げるには至らなかった」と分析している。

 特に落ち込みが激しいのは陶磁器で、2008年の市場規模は前年比18.4%減の235億円、2009年も12.8%減の205億円と推計している。「国内景気の急激な悪化で、法人やギフト、ブライダル需要の低迷に加えて、売れ筋商品の中心価格帯の下方シフトによる単価の下落が影響した」(同研究所)

高級インポート雑貨市場の分野別市場規模の推移(出典:矢野経済研究所)

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