グロービスで受講生に愛のムチをふるうマーケティング講師、金森努氏が森羅万象を切るコラム。街歩きや膨大な数の雑誌、書籍などから発掘したニュースを、経営理論と豊富な引き出しでひも解き、人情と感性で味付けする。そんな“金森ワールド”をご堪能下さい。
※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2009年12月11日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。
「変わり続けていく街並みのように、元には戻れない若い2人……」。切ない歌のフレーズが、頭にこびりついていて離れない。何という歌だったか。
しかし、元には戻れないのは若い2人だけではない。世界はもう元に戻れないのだという。プレジデントの記事「『ニューノーマル』〜米国経済は二度と元には戻らない」では、マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏の発言を取り上げている。
ニューノーマルという語は、世界最大手債券ファンド・米ピムコのCEOであるモハメド・エラリアン氏が、サブプライム危機を予言した著書の中で、その後の経済状況を表現するのに使ったものだ。エラリアン氏のいうニューノーマルとは、「景気が回復しても元通りの経済水準にはならない」というものだという。そして、マイクロソフトのようにニューノーマルを見すえた経営計画を立てる企業が相次いでいるというのが記事の概要だ。
「ニューノーマル」と同義で「ハーフエコノミー」という言葉も金融危機以降、頻繁に使われていた。
日経トレンディネットの記事「Q.ハーフエコノミーって何?・今日の知識」によると、ハーフエコノミーとは、市場における需要が半分程度の規模になった経済のことというらしい。「ハーフ」が状態を表しており、それがいよいよ「ノーマルなんだぜ」と、経済活動が盛んで消費も活発だった「若き日」にはもう「元には戻れない」んだぜ、ってことをバルマー氏は力説したわけだ。
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