週末の大幅高の反動や円高を嫌気して売られるが底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年12月14日 16時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国市場とは反対に市場のセンチメントが悲観的で、日銀短観も業況判断DIは予想を若干上回り、為替は円高に反応したのですが、景気回復としては反応できませんでした。設備投資など先行きへの懸念が根強く、悲観的な見方になるのでしょうが、政策の方向が相変わらず見えないことで、景気回復のトレンドが続くということに疑心暗鬼になっているものと思います。財源の問題からデフレにもかかわらず金利上昇懸念が根強いことも、「スタグフレーション」のような様相となっているものと思います。

 民主党が政権をとる前から、財源不足の問題など分かっていたのではないかと思いますがあえて、長期金利の上昇が懸念されて株も買い切れないということなのでしょう。本日、「会社情報」や「会社四季報」が発売されましたが、こうした株式投資に関する本も出版部数はかなり減っているのではないかと思います。その中で、「配当利回り」の集計をしているコラムがありましたが、配当は減配となるリスクはあるものの、もう一度「配当利回り」などに注目しても言いのではないかと思います。

 例えば、武田薬品(4502)やNTT(9432)、NTTドコモ(9437)など利益が大きくぶれる懸念が少なく、格付けも最高位あるいはそれに準するような格付けがなされているものでも、配当利回りが3%以上、5%程度の利回りとなっている状況です。逆に言えば配当はあてにならないという見方も出来ますが、これらのような「ディフェンシブ銘柄」でもこうした高配当であることは不思議としかいいようがありません。

 株式投資が「投機」でなくてはならないという見方が強いのですが、例えば5%の配当利回りが3年続けば株価がその間15%下落しても損はほとんどなく、10%の下落であれば、定期預金よりもよほど良い利回りが得られたことになるのです。デフレ下において低金利が継続されるのであればデフレの影響を受け難いような銘柄で高配当利回りの銘柄を見直してもいいのではないかと思います。また、株主優待などが充実している銘柄も多く、実質の配当利回りが高くなるものもあり、景気の「二番底」はあっても「底割れ」がないのであれば、注目してもいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.