引き続き好調な経済指標を受けて堅調だが上値も重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年12月14日 08時40分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10471.50△65.67

<NASDAQ>2190.31▼0.55

<為替:NY終値>89.09-89.15

引き続き好調な経済指標を受けて堅調だが上値も重い

 朝方発表された11月の小売売上高やミシガン大学調査の消費者態度指数が予想を上回ったことから、堅調となりました。個別にも投資判断の引き上げなどに素直に反応する格好となり、堅調となりました。ただ、ハイテク銘柄などを中心に週末の手仕舞い売り、利益確定売りに押されるものも多く、ナスダック指数は小幅安となりました。懸念されていた雇用に続き個人消費も回復が確認されつつあるということで買戻しを急ぐ動きとなったものと思います。

 為替もドルが強含みとなる場面もあり、商品市況が軟調となったことで上値を押さえる要因となりました。それでもCRB指数が堅調となっていることもあり、商品市況全体の崩れは見えず、引き続き景気回復を織り込む動きとなりそうです。個人消費にも改善が見られていることから、商品市況も投機筋の利益確定売りをこなして底堅い動きとなるものと思われ、株式市場の足を引っ張るようなこともないと思います。

 個別には投資判断の引き上げのあったアルコアが大幅高、増収増益見通しを示したユナイテッドテクノロジーズも堅調、バンク・オブ・アメリカも信用不安が薄れたことで買われて堅調となりました。原油価格は軟調となったのですが、シェブロンやエクソンモービルは高く、個人消費が堅調とされたもののウォルマートは軟調となるなど、週末の手仕舞いの売り買いもありました。インテル、HP(ヒューレット・パッカード)やシスコシステムズなどのハイテク銘柄は週末の手仕舞い売りに押されて軟調となり、指数の足を引っ張る格好となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場はSQ(特別清算指数)の算出が終わり、為替が円安となり、米国や中国で景気回復が確認されるような堅調な経済指標の発表があったこともあって輸出株などを中心に大幅高となりました。前日の大幅下落の反動や週末の手仕舞いでの買戻しなどもあり、大きな上げになったものと思います。日経平均が10000円を再び抜けて来たことで、10000円の大台を固める動きとなるかもしれません。

 週末の米国市場が堅調となったことや為替が円安に振れたことから日本市場も週明けから堅調な展開が期待されます。週末に大幅高となった反動もあり、上値も重いのかもしれませんが、日本株の出遅れ感は強く、底堅い展開となるのでしょう。米国市場でハイテク銘柄が軟調となったこともあり、ハイテク銘柄のなかには上値の重いものも見られるかもしれませんが、輸出株は総じて堅調となりそうです。引き続き新興国関連銘柄などは物色されるものと思います。

 日経平均の10000円での底堅さを確認することになりそうです。先週末の大幅下落の反動があるとしても10000円を割り込むようなところや意識する水準では下げ渋り底堅い展開となりそうです。ただ、逆に節目と見られる10100円台半ばから10200円台半ばでは上値を押さえられるものと思われ、まだ9500円から700円水準を底に、10100円台半ばから200円台半ばの保ち合い相場を上に抜けず、上値の重さを確認することになりそうです。

本日の注目点

◇12月の日銀短観

◇10月の鉱工業生産指数確報(経済産業省)

◇決算・10月期:正栄食品工業(8079)

◇上場廃止:・日本農産工(2051)=東証一部、大証一部 ・三菱自動車(7211)=大証一部

◇ドバイワールド傘下ナキール発行のイスラム債35億ドル償還期限

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