後場から見切り売りがかさみ大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年12月10日 17時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9862.82円 ▼141.90円
売買高 20億8211万株
日経平均先物 9820円 ▼180円
売買代金 1兆3548億円
TOPIX 873.90 ▼11.04
値上がり銘柄 422銘柄
東証マザーズ指数 398.92 ▼5.40
値下がり銘柄 1146銘柄
日経ジャスダック平均 1139.92円 ▼0.56円
変わらず 115銘柄
騰落レシオ 73.17% ▼2.49%

日経平均

後場から見切り売りがかさみ大幅下落

 米国市場は堅調となったのですが依然として世界的な信用収縮懸念が根強いことに加え、為替も円高に振れたことから売り先行の始まりとなりました。それでも寄り付きの売りが一巡した後は日経平均の10000円を割り込む場面では買いが入り、円安方向に振れたこともあって堅調となる場面もありました。前場の引けはマイナスとなりまたが、全般的に高安まちまちとなり、底堅さも見られました。寄り付き前に発表された機械受注は改善傾向にあることは確認できたものの、ほぼ予想通りの数字となったことで、特に材料視されることもありませんでした。

 後場は一転売り先行で始まり、寄り付きの売りが一巡しても見切り売りに押される格好となりました。いったんは下値の節目と見られた日経平均9900円の水準では下げ渋る場面もあったのですが、株価の下落を見て為替が円高に振れ、為替が円高になると株式市場では見切り売りがかさんで指数を押し下げるような動きとなりました。さすがに9900円の節目を大きく割り込むと買戻しも入り、下値の節目である9700円まで下がることはありませんでしたが、大幅安となったまま方向感がありませんでした。先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出を明日に控えての思惑から売りを仕掛けるような動きもあったものと思います。

 小型銘柄も軟調なものが目立ち、東証マザーズ指数は大幅安、二部株指数軟調、日経ジャスダック平均は小幅安となりました。先物は乗り換えの動きが中心ではありましたが、最終売買日ということでの見切り売りなども見られ、特に後場に入ってからは指数を下押す要因となりましたそれでも、逆に散発的ではあるのですが、買戻しを急ぐ動きなどもありました。引けを意識するような時間帯からは明日のSQに対しての思惑からまとまった売り買いが交錯、連れて指数が右往左往する場面もあり落ち着きのない相場となりました。

 年末のSQを控えて持高調整の売りも出たようです。指数は大幅下落となりましたが、パニック的な売りもなく、落ち着いているようです。ここのところSQが終わると軟調となる場面も多かっただけに明日のSQ後の持高調整の売り買いなどは気になるところであり、上下、最初に動きが出た方向に大きな動きとなる可能性もありそうです。日米のクリスマス、年末商戦の動向を気にしながらの動きとなって来るものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線は日々線の下落に合わせ下落となったものの、日々線にサポートされています。日々線の下落も止まるところであり、ここからは底堅くなるものと思います。RSIは上値余地があるものの調整を示し、ストやスティックスは高値圏からの調整となっており、遅行線が日々線にサポートされながらも調整となりそうです。日々線も雲に上値を押さえられ、戻りも鈍くなるかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線に絡みながら下落となりました。遅行線が絡むところの日々線はいったん下げ止まっており、底堅さも見られるものと思います。RSIは上値余地がありながらも調整となっており、ストキャスティックスも高値圏からの調整を示しています。遅行線が日々線を割り込むと日々線が基準線のサポートを確認するような水準まで下落、調整となるのでしょう。

円相場

NYダウ

 基準線・転換線のサポートを確認する動きとなりました。RSIは戻りきっていないのですが、ストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、遅行線も日々線も上値の抵抗帯でしっかりと押さえられたことを考えるとこの水準で底堅さも見られるのでしょうが戻りのスピード調整、日柄の整理も必要ということで底堅さを確認するような動きとなるのでしょう。

銘柄ピックアップ

円高や信用収縮懸念は根強く軟調なものが目立つ

住友鉱(5713) 1386 ▼17

 米国市場で金先物価格が大きく下落したことや為替が円高に振れたことなどから売り先行となりました。売り一巡後に一時前日比プラスの水準まで買い戻される場面もあったのですが、結局軟調となりました。

三洋電(6764) 176 △17

 積水ハウス(1928)と共同でリチウムイオン電池搭載した住宅を開発すると伝えられたことやパナソニック(6752)によるTOB(株式公開買付期限が終了したことを受けて賑わい、大幅高となりました。

ファナック(6954) 7860 ▼60

 機械受注統計の発表に敏感な反応をする銘柄として注目されましたが、受注の回復傾向を好感する動きはあったものの利益確定売りや見切り売りに押されて軟調となりました。

ACCESS(4813) 165900 ▼11600

 これまで期待してきた潜在的な収益機会は「アンドロイド(グーグルの携帯電話向け基本ソフト)」の台頭により急速に縮小しているとして外資系証券が投資判断を引き下げたことが嫌気されて売られ、大幅安となりました。

7&I−HD(3382) 1951 ▼43

 中国事業を拡大すると新聞で報じられ、収益拡大を期待した買いが入り一時大幅高となりました。収益拡大の手掛かりの少ないなかで好材料として素直に好感されたものと思います。ただ、寄り付きの買い一巡後は戻り売り、見切り売りに押されて軟調となりました。

大林組(1802) 291 △1

 公共事業の中止やドバイ問題などで大手建設株が敬遠される中で、堅調となりました。民間設備投資の緩やかな回復や国内民間建設工事の粗利益率の改善が見られ、株価が大きく下落したことから外資系証券が投資判断を引き上げ、買戻しなども交え、堅調となりました。

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