信用不安やそれに伴う商品市況の下落を受けて大幅安清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年12月09日 08時23分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10285.97▼104.14

<NASDAQ>2172.99▼16.62

<為替:NY終値>88.43-88.49

信用不安やそれに伴う商品市況の下落を受けて大幅安

 主力銘柄の芳しくない業績の発表に加え、ドバイの政府関連企業やギリシャの信用格付けが引き下げられたことから軟調となりました。信用不安から資産を収縮する動きで商品市況も下落、ユーロが売られたこともあり、ドルキャリー取引や円キャリー取引の解消の動きもあって、大きな下落となりました。それでも、逆にドル安メリットがあると言うことでブルーチップの一角やディフェンシブ銘柄に下げ渋るものも多く見られ、欧州市場ほどの下落とならずに底堅さを示す結果となりました。

 まだ、米国企業や米国での信用不安ということではないので景気回復や超低金利継続を評価する動きは続いていると見ても良さそうです。欧州では信用不安が強まっていますが、実際にまだ金融機関への懸念に繋がっておらず、不安解消の動きが出れば再び投機資金が株式市場や商品市場に入って来るものと思います。まだ、センチメントに変化は見られず、底堅さは続くものと思います。

 個別には朝方発表した11月の既存店売り上げが芳しくなかったマクドナルドや利益見通しが予想をしたまわったスリーエムが軟調、信用不安からバンク・オブ・アメリカは大幅下落となりましたが、JPモルガン・チェースは小幅安に止まり底堅さが見られました。HP(ヒューレット・パッカード)やIBM、ボーイングやクラフトフーズ、コカコーラなど、ハイテク銘柄の一角やディフェンシブ銘柄に底堅いものが見られ、ベライゾン・コミュニケーションズはダウ採用銘柄のなかで唯一前日比プラスとなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円高となったことや外国人が売り越し基調と伝えられたこともあり、売り先行となりました。ただ、追加経済対策が決定したことなどを好感して底堅く、指数は小幅安に止まりました。円高にもかかわらずハイテク銘柄などにも高いものが見られるなど、地合いの好転を示す動きもあり、ディフェンシブ銘柄などに押し目買いが入り全般的に底堅い展開となりました。

 欧州市場や米ダウ平均が大幅安となったことや為替が大きく円高に振れたことから売り先行となりそうです。昨日も底堅さが見られたように経済対策やデフレ対策を評価して底堅さは見られるのでしょうが、円高伸展での輸出企業の業績下振れ懸念や信用不安の広がりからの資金圧縮、円キャリー取引の解消などが出ると大きな下げとなってしまうかもしれません。ただ、先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出が近いことから、仕掛け的な先物の売り買いなどは積極的に仕掛け難く、節目と見られる10000円を意識した動きになりそうです。

 商品市況が軟調なことから資源株などには利益確定を急ぐ動きが出そうです。また、為替も再び大きく円高、特にユーロで円高となったことで、輸出株、特に精密株などの下げが大きくなるかもしれません。日経平均は10000円と言う水準を意識した動きとなりそうです。10000円を割り込むところで売り急ぐ動きが続くのかどうか、買戻しも交えながら押し目買いが入って来るのかどうかが注目されるところです。円高メリット銘柄や為替の影響の少ない内需系のディフェンシブ銘柄などが底堅い堅調な展開となるのではないかと思います。

本日の注目点

◇7−9月期の国内総生産(GDP)改定値

◇10月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇10月の米卸売売上高

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