円安や米国株高を受けて、底入れ感が強まり大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年12月07日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10167.60円 △145.01円
売買高 21億3023万株
日経平均先物 10150円 △150円
売買代金 1兆3999億円
TOPIX 898.93 △9.35
値上がり銘柄 1038銘柄
東証マザーズ指数 404.15 ▼2.06
値下がり銘柄 499銘柄
日経ジャスダック平均 1145.23円 △5.36円
変わらず 143銘柄
騰落レシオ 80.38% △5.10%

日経平均

円安や米国株高を受けて、底入れ感が強まり大幅高

 週末の米国市場が堅調となったことや為替が大きく円安に振れたことを受けて、輸出関連銘柄を中心に買い気配から始まるものが多く大幅高の始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が引き続き買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も堅調な展開が続きました。ただ、為替が円安一服となったことや連日の大幅上昇ということもあり利益確定売りや戻り売りもかさみ上値お思い展開となりました。

 昼の時間帯に円高基調となったことや上値の重さを嫌気する売りに押されて後場は売り物勝ちの始まりとなりました。ただ、政府の経済対策も本日中にはっきりとすると伝えられたことなどもあり、売り急ぐ動きも少なく様子見気分の強い方向感のない展開となりました。その後は経済対策に期待する向きもあり、底堅く、かと言って上値を積極的に買い上がるだけの材料にも乏しく、大幅高ながらも最後まで方向感はなく指数は小動きとなりました。ディフェンシブ銘柄の一角が軟調となっている以外は高いものが多く、底入れ感は強まったものと思います。

 小型銘柄は主力枝銘柄fが物色されるなかで戻り売りなどに押されるものが多く、最後まで買い切れないということのようです。ちょっとした見切り売りが出ると値を下げるものも見られ、東証マザーズ指数は軟調となり、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調ながらも上値の重い展開となりました。先物は散発的にまとまった売り買いは見られるものと方向感を持って、売り続ける、買い上がるような動きはなく、指数の方向感を出すには至りませんでした。

 基調は強含みですが、まだ「戻った」と言う状況に過ぎません。持高調整の売りに押された分を戻したことで、今後は景気の回復が見られるのかどうかが注目されますがその前に米国市場と同じ様に取りあえずは「超低金利継続」からの「円安政策」を好感する動きとなるのかもしれません。輸出企業が潤えば内需の企業も潤い、企業が潤えば雇用や個人消費も回復するという米国のパターンがそのまま日本で引き継げるのかどうかで今後の相場動向も決まりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線を抜けて日々線は一気に雲のねじれまで戻りました。雲に上値を押さえられた格好となり、、明日も堅調であれば、「三役好転」となり底入れ確認となります。明日、軟調となると遅行線が日々線にサポートされながら、日々線が雲の下限に沿うように、過熱感を冷ますことになりそうです。RSIは上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、「三役好転」なってもいったん押し目を確認する動きとなるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 遅行線は日々線を抜けて「好転」となりましたが、日々線が雲に上値を押さえられました。遅行線が日々線にサポートされるのでしょうが、日々線が雲に上値を押さえられて調整となるかもしれません。明日も堅調な展開になるようであれば雲の上限まで戻るのではないかと思います。RSIには上値余地があるものの、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったん調整となるかもしれません。

円相場

NYダウ

 基準線を抜けて一気に雲まで上昇となりました。遅行線も日々線までの戻りとなっており、ここからはいったん雲に上値を押さえられ、遅行線が日々線に上値を押さえられて上値の重い展開となりそうです。ただ、RSIには上値余地は大きく、ストキャスティックスも高値圏ながらも上値余地もあり、強含みの展開が期待されます。

銘柄ピックアップ

円安に反応する動き

昭電工(4004) 174 △5

 青色発光ダイオード(LED)を増産すると新聞で報じられ、市場拡大が期待され成長が見込まれる分野の増産と言うことで、将来的な収益拡大期待や「LED関連銘柄」として物色されて堅調となりました。

大阪チタ(5726) 2520 △400 、 邦チタニウム(5727) 1300 △188

 外資系証券がスポンジチタン価格の底入れ感やB787初飛行成功への期待から投資判断を2段階引き上げ、目標株価も大きくひき上げたことから買いが集まり、大幅高となりました。

花 王(4452) 2180 ▼55

 原料安効果やコスト削減効果の増益要因以上に健康油「エコナ」の販売停止や化粧品事業の赤字継続などの減益要因が大きいとして、外資系証券が投資判断を引き下げたことから軟調となりました。

日 立(6501) 238 ▼8

 円安ということでハイテク銘柄が全般的に堅調ななかで、公募増資の値決め期間が始まったことや週末の大幅高の反動から大幅安となりました。目先筋の売買が中心と見られ売買高を伴ってさえない展開となりました。

キヤノン(7751) 3750 △120

 大幅高となり、年初来高値更新となりました。特に個別の材料が出たわけではないのですが、欧州での景気回復期待が高まったことに加え、米国での景気回復も見え、かつ為替も円安方向に振れたことから、好感する買いが入ったものと思われます。

三井不(8801) 1606 △27 、 菱地所(8802) 1502 △23

 日銀の金融緩和政策などで超低金利が継続されることから土地価格など不動産価格が底入れとなるとの期待もあって買われ、堅調となりました。

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