雇用の改善が期待されて堅調だが、金利上昇や商品市況の下落を受けて上値も限定的清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年12月07日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10388.90△22.75

<NASDAQ>2194.35△21.21

<為替:NY終値>90.55-90.61

雇用の改善が期待されて堅調だが、金利上昇や商品市況の下落を受けて上値も限定的

 注目された雇用統計で失業率が予想に反して低下、非農業従事者の減少幅も大きく縮小するなど雇用改善が鮮明になったことから買い先行となりました。個人消費に続き雇用にも改善が見られたことで、景気回復が確認され、景気敏感銘柄などが買われたのですが、これまで相場のけん引役であった商品市況が金や原油の下落を筆頭に軟調となったことや金利上昇が指数の上値を押さえました。

 これまで懸念されていた個人消費や雇用の回復が見られたことで金融緩和の「出口戦略」が取りざたされて指数の上値を押さえる要因となりました。それでもドル安メリットや超低金利で企業業績が回復、そしてそのおかげで国内の消費や雇用が改善するという言ういわば「予定通り」の展開となっているものと思われます。金利上昇が強調されると再び消費の落ち込みなどに結びついてしまうため、まだ金融緩和の出口は先になるものと思われ、株式市場は強含みの展開が続くのでしょう。

 個別には景気敏感銘柄としてキャタピラーやボーイングなどが高く、同様にインテル、HP(ヒューレット・パッカード)、GE(ゼネラル・エレクトリック)、シスコ・システムズといったハイテク銘柄が高くなりました。バンク・オブ・アメリカは前日までの反発もあって大幅高となり、JPモルガン・チェースなど金融株も堅調となりました。一方、金価格や原油価格が下落したことでアルコアなどの素材株やニューモント・マイニングなど金鉱株、シェブロンやエクソン・モービルといった石油株などは軟調、中には大幅安となるものも見られました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は前日の大幅上昇の反動や週末のヘッジ売りや手仕舞い売り、日経平均が節目と見られる10000円を抜けたことでの達成感からの売りに押される場面もあったのですが、外国人が大幅に買い越し基調と伝えられたことや円安に振れたことが好感されて底堅く、堅調となりました。金融緩和期待や経済対策期待もあって売り叩き難いものと思います。それでも米国の雇用統計の発表を控えて積極的に買い上がり難く、上値も限定的となったものと思います。

 週末の米国市場が堅調、為替が大きく円安に振れたこともあり、日本市場は買い先行となりそうです。ハイテク銘柄など輸出関連銘柄などを中心に業績回復期待が強まり、先週の大幅上昇で目先的な過熱感はあるものの大きく買われるものも見られるものと思います。ヘッジ売りの買戻しなどを交えて高く始まりそうですが、最後まで買い切れるのかどうかが注目されます。目先的な過熱感はあるもののセンチメントが大きく変わる可能性も高く、大幅高となるのではないかと思います。資源株や非鉄株などは利益確定売りや商品市況の下落を受けて軟調なものが見られそうですが、機械株などを含めたハイテク銘柄が指数を押し上げることになりそうです。

 シカゴ市場の日経平均先物の終値やADR(米預託証券)の動きを見ていると、一気に10000円の節目を抜けたことで、次の節目と見られる10200円前後まで上昇となりそうです。さすがに10200円前後では上値を押さえられそうですが、10000円台を固める動きになり、政策の先行きがもう少し見えてくれば堅調な地合いが続くものと思います。そろそろ過熱感が出てくるところであり、10200円前後の節目でいったんは上値を押さえられそうですが、10100円台半ばあたりで底堅さが見られるものと思われます。

本日の注目点

◇政府税制調査会

◇トヨタ自動車(7203)がハイブリッド専用車「SAI」を発売

◇バーナンキ米連邦準備理事会議長が講演(ワシントン)

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