これらの5つの変節点により、“企業の発展段階”は下記の6段階に分れます。
そしてこの6段階でそれぞれ「成功するリーダー」の種類が違います。
「各段階で成功するリーダーの資質が異なる」ということは、1人で(1)から(6)まで企業を成長させるのは簡単ではない、ということです。
なので、パターンとして、(1)&(2)を創業者、(3)&(4)を2代目が担当という世代分担形もでてきます。もちろん卓越したリーダーが(1)〜(4)まで1人で実現、というケースもあります。
反対に、(1)から(2)に移行できない企業、(3)までは創業者が頑張ったが(4)になる段階で先代と2代目が反目したり、また、(4)から(5)に移行する段階で創業者社長が解任されたりと、「変節点が越えられない会社」も多数あります。
継続的な変化の部分は同じリーダーが率いていくことができるのですが、変節点を超えて成長するには、「リーダー自身が非連続に変化する」か「異なるリーダーを擁する」かのいずれかが必要となります。
リーダー自身が非連続に変化するには「自らの成功体験を、自分で乗り越える」ことが必要で、葛藤や困難を伴うことが多いです。これがうまくいかないと、「自分のスタイルで次の段階に進みたい今のリーダー」と、「次世代のリーダーを求め始めた組織」の間で“内紛”や“お家騒動”が起こることもしばしばあります。
「自分の能力の限界を見極め、きれいな引き際を」というのは、誰にとってもとても難しいことです。しかもこれらの人はみんな「大成功者」ですからね。簡単に自分の限界を認めたりしたくないし、むしろ常に自信過剰気味の人が多いので余計大変です。
人も組織も国も、大事なのは「変節点をどう乗り越えるか」です。継続的な成長は気持ちのよいものです。誰でも前向きに頑張ることができます。でも、過去を否定して非連続な変化を求められた時に、自分を変えることができるか、もしくは引き際を見極めることができるか。これが、その組織が「次の段階」に入ることができるかどうかを決するのです。
大事なのは「変節点マネジメント」だということですね。
そんじゃーね。
関西出身。バブル最盛期に金融機関で働く。その後、米国の大学院への留学を経て現在は外資系企業に勤務。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。
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