コラム
» 2009年12月01日 08時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:小で50セント、大で1ユーロ……欧州の公衆トイレ事情 (1/2)

「欧州の公衆トイレは有料」であることは、多くの人が知っているはず。駅や公園などのトイレは小ならば50セント、大で1ユーロが必要になるため、もしものときのために財布の中に小銭を忘れてはいけない。

[松田雅央,Business Media 誠]

著者プロフィール:松田雅央(まつだまさひろ)

ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


yd_matuda1.jpg デパートのトイレ表示と、オムツ換えできる部屋の表示

 欧州の公衆トイレが有料なのはよく知られた話。すべてではないが、駅や公園、デパート、高速道路のサービスエリアなどのトイレは、小便ならば50セント(0.5ユーロ)、大ならば1ユーロ必要なことが多い。いざトイレ! というときのため、財布に50セント硬貨と1ユーロ硬貨を残しておくことが生活の知恵でもある。

 日本と比べ障害者用トイレが充実しているのも欧州の特徴と言えるだろう。特に国を超えて障害者用トイレを利用できる「ユーロキー」のシステムはぜひ紹介したいものだ。

 生活になくてはならないのに、日陰者扱いされがちなトイレ。今回は公衆トイレを切り口にして欧州社会の一面をのぞいてみたい。

料金の徴収方法

 日本から旅行に来た筆者の叔父は、公衆トイレ有料の事実を知り「生理現象に料金を課すとは何たることか!」と憤慨していた。筆者も全く同感だが、1人で社会常識を覆せるわけでもなく、もったいないと思いながら料金を払いトイレを使っている。

 料金徴収方法の1つとしてゲート型がある。硬貨を入れると通れるようになったり、扉が開くタイプで、駅のトイレや公園の有料トイレにこのタイプが多い。

yd_matuda2.jpgyd_matuda3.jpg 駅の有料トイレ(左)、公園の有料トイレ(フランス、右)

 2つめはお皿型タイプ。デパートや高速道路のサービスエリアのトイレなど、入り口に小皿が置かれ使用前か使用後に小銭を載せる。掃除係が常駐してトイレを清潔に保つ代わりに小銭を払ってくださいという趣旨のため、ゲート型のように小銭がなければ使えないというものではない。払わないこともできるが、社会習慣としてだいたいの人が払っているようだ。

 飲食店でもお皿型でトイレ料金を徴収するところがある。デパートやサービスエリアと異なり、飲食店のトイレはその店で飲食する客が利用するものであり、さらに料金を徴収するのはあまりに強欲だろう。店側も引け目があるようで「よろしければ小銭を置いてください」という低姿勢が目立つ。

 なお、列車のトイレ、公共施設のトイレ、空港のトイレはほぼ例外なく無料である。

yd_matuda4.jpg 普通列車内のトイレ。ドイツの新型車両は健常者・障害者兼用トイレを備えている
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