米国市場は堅調だが円高を嫌気して軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年11月26日 16時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 為替が急激に大幅円高となったことで売り先行となりました。円高メリットを取りざたする動きや商品市況が堅調なことを受けて底堅く、底堅さが確認されると買戻しも入って堅調となる場面もありましたが、後場に入ってから一段と円高が進み、特に対ユーロなどで円高が進むと「円キャリー取引」の解消懸念から売り直されて軟調となりました。それでも為替が大きく動いた割りには買戻しを急ぐ動きもあり、底堅くなりました。

 後場に入ってから妙な動きになりました。為替が一段と円高、特に対ユーロなど米ドル以外の通貨で円高となり、その割りには株価が底堅いと言う状況になりました。前場はユーロなど米ドル以外は比較的底堅い動きであったのですが急激に円高に振れたということです。そもそも為替がこれだけ一気に円高に振れる理由も特に見当たらず、持高調整の動き、円キャリー取引解消の動きもあったものと思います。

 最近ではこのように投機的な動きで大きく株価も為替も振らされることが多く、「一時的」とも思われるのですが、動きが大きいだけにどうしても振り回されてしまいそうです。そして振り回される投資家が多いのでますます動きが激しくなるということでしょう。売りが売りを呼び、買いが買いを呼ぶことが多くなっているのではないかと思います。大きなトレンドが変わるにしてもその場、その場で上にも下にも行き過ぎる傾向にあるのではないかと思います。

 こうした事態に備えるためには「ロスカット」、つまり損失を限定するような水準を決めておいて実行に移すか、あるいは嵐の過ぎ去るのを待ってゆっくりと対処するしかないでしょう。嵐の中で右往左往しても逃げる方向を間違ったり、逃げる方向もわからないのに闇雲に外に出て走り回ってしまうことも多いのではないかと思います。こうしたときは常に冷静に考えることが必要だと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.