コラム
» 2009年11月25日 08時00分 UPDATE

Twitterをネタにつらつらとマーケティングを考えてみる (1/2)

過去の発言が新しい発言によって流されていくTwitter。それをヒントに伊藤氏は、過去から未来を予測していくことが多いマーケティングのあり方について考えていく。

[伊藤達夫,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:伊藤達夫(いとう・たつお)

THOUGHT&INSIGHT株式会社代表取締役、東京大学文学部卒、認定エグゼクティブ・コーチ(JIPCC)。コンサルティング会社にて食品、飲料、化学品メーカーなどのマーケティング寄りのプロジェクト、官公庁などのプロジェクトに携わる。その後、JASDAQ上場の事業会社に移り、グループ戦略、事業戦略、業務改革などに携わる。結果的に最年少でのマーケティング部門、部門長となる。ブログ「ゆるーいコンサルタントな日々


 30代〜40代の人々でTwitterにはまっている人がいるそうです。実は私もそうです、はまっています。Twitterはすごいですよ、普通では触れられないような知の巨人がうごめいています。今日はTwitterのタイムラインをネタに、マーケティングをつらつらと考えてみます。

イノベーションのジレンマと原罪思想の関係

 Twitterの画面を開いたことがありますか?

ah_tuitta.jpg Twitter

 Twitterの画面を開いていると、次々と発言が現れます。それは1つのラインのように、新しい発言が一番上に表示され、1つずつ下に発言が流れて行きます。

 一度に表示できる発言は20個。すべて140文字までの塊(かたまり)になっています。黙って見ていると、発言が次から次へと生み出され、さっきまで上にあった発言が次から次に下の方へと追いやられていきます。

 これ、すごいです! 「現在はランダムに次々に生じている!」という現代哲学で主張されている世界観と一致しています。

 いいでしょうか? 現在はランダムに次々に生じているんです。Twitterでは、これまで現在だった発言は過去へと押し流されていくんです。現在は過去へと追いやられていくんです。

 当たり前だと思いますか? 反対の例を出して見ましょう。

 「原罪思想」をご存知ですか? 意外と人は原罪思想を信じていたりしますよね。乱暴に言うと、人間は過去に罪を犯した存在で、現在はその罪を償うためのものである、という考え方です。「過去にこういうことをしたからこうなった!」ということで、過去に原因があって、その過去を基準に未来を見てしまう世界観です。

 で、唐突ですけど、イノベーションのジレンマと原罪思想って似ていると思いません? 「過去にこういう成功をした。その過去の成功から見ると、この事象の意味合いはこうである!」と。でも、そうすると新たなイノベーションは生み出せない。

 そりゃそうですよね。視点が過去のイノベーションに凝り固まっている。過去から現在を見ると、その過去の延長としての現在しか見えない。新たなイノベーションは未来を作ろうという意思から生まれるのです。過去への回顧によって生まれるわけではありません。

 同じように、過去の顧客の行動からばかり発想していると、新しいことはできませんよね。「新しい顧客の行動は何だろう?」を考えるのがマーケティングに携わる人間のお仕事です。

 過去をほじくり返し続けることにあまり意味はないですよね。「歴史から学べ!」とおっしゃる方もいますし、そういう時間観も確かに強力です。確かに、未来のアクションを考えた上で、検証するのに過去の事例を使うのは、悪くはないです。でも、過去から見た発想をしてしまうと、現状を変えることはできない。悲しいですね。

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