社会人大学院は、受験がエッセイで済んでしまい、修士論文は書かなくてもいい。授業にきちんと出席していれば単位が取れて、比較的簡単に卒業できてしまう。時間とお金で学位を買っていると言われても、反論できない部分があるが――。
「ピンキリだと思うんですよね。ある先生がおっしゃっていましたが、成績の分布は正規分布になるのが普通なのに、社会人大学院の場合、両端の値も大きい“ファットテール”になるんだそうです。山が低く、優秀者も多いけれど、そうでない人も多い。つまり、勉強する人はすごく勉強するし、やらない人はほとんどやらないということです」(保田さん)
すべては、自分の気の持ちようと言えそうだ。
大学院に行こうかどうか考えている社会人に対して、「失うものはない」と保田さんはエールを送る。「どうせみんな、多かれ少なかれ無駄に時間を過ごしているわけですから。私も偉そうなこと言えないですけど(笑)」
また、国内の大学院に働きながら通うことで、仕事と勉強の両方に相乗効果があるとも話す。「国内の大学院に通う一番の魅力は、働きながら行けることだと思います。「働きながら学ぶのでは、学問的に中途半端だ」と批判を受けることもあるんですが、それでいいんじゃないかと思うんです。逆に、働きながらという制約条件を持ってやっている方が、勉強も仕事もギュッと集中できます。これほど密な時間って、そうないと思います。具体的にメリットを説明するのは難しいですが、仕事の面とアカデミックな面においての相乗効果が非常に高いと感じます。もちろん、キャリアに穴もあきません」(保田さん)
海外留学がもっぱらMBAを目指すためであるのに対し、日本の社会人向け大学院は、コースもバラエティに富んでいる。自分の目指すものが、社会人大学院で見つかるかもしれない。
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