米国株高にもかかわらず問題山積、相変わらず買い気に乏しく大幅安清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年11月24日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9401.58円 ▼96.10円
売買高 18億2702万株
日経平均先物 9390円 ▼100円
売買代金 1兆1622億円
TOPIX 829.22 ▼9.49
値上がり銘柄 327銘柄
東証マザーズ指数 379.65 ▼4.81
値下がり銘柄 1277銘柄
日経ジャスダック平均 1121.16円 ▼4.09円
変わらず 78銘柄
騰落レシオ 64.55% ▼2.14%

日経平均

米国株高にもかかわらず問題山積、相変わらず買い気に乏しく大幅安

 日本市場が休場中の米国市場が大幅高となったことから、日本市場も堅調な展開が期待されました。為替も落ち着いており、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り買い拮抗となり、特に売り材料となるものもなかったのですが、寄り付きの買いが一巡した後は買い気に乏しく上値の重い展開となりました。戻りの鈍さが見られると売り急ぐような動きも見られ、大きく下押すこともなかったのですが、銀行株や大手電機株などが売られて小動きながらも軟調な展開となりました。

 後場はいつもの事ながらも一段安となった水準で方向感なく小動きとなりました。目先筋の買戻しは見られるものの買い気に乏しい展開は変わらず戻りの鈍さを確認しては売り直されるという感じでした。特に売り急ぐような材料があったわけでもないのですが、持高調整の売りもまだ続いており、増資や政策不在を懸念する動きも何一つとして解決したわけでも進展したわけでもなく、デフレ対策も何ら示されず、買い手不在という状況は変わらないようです。結局最後まで買い気に乏しい展開が続き、見切り売りもかさんで安値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も小口の見切り売りに押されて軟調となるものが目立ちました。売り急ぐ動きも一段落となったようですが、東証マザーズ指数は大幅安、二部株指数、日経ジャスダック平均は揃って軟調となりました。先物も売り叩くようなイメージはなかったのですが、散発的にまとまった見切り売りと見られるような売りも見られ、指数を下押す場面もありました。ただ、追随する動きはほとんどなく、大きく方向感を出すようなこともありませんでした。

 日経平均は9500円を超えず、次の押し目を試す動きとなりそうです。節目とすれば、7月安値水準である9000円を意識するようなところまで下落となるのかもしれませんが、テクニカル的な割安感がかなり強まっており、この水準で底堅さが見られれば買戻しも入り、戻りを試す展開となって来るのかもしれません。また、個別には日替わりで「環境関連」や「新興国関連」または「タッチパネル」や「電池」などに関連して材料の出た銘柄が買われるような場面も見られるのでしょうが、好材料への反応が長続きするような地合いの好転にはもう少し時間がかかりそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 9500円水準の上値の重さを確認するような格好となりました。RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、遅行線も日々線の高値の日柄にあたり、「天-底」一致で底入れとなる可能性もありますが、10000円水準をあっさりと抜けるようなことは少なくなったものと思います。まずは7月安値水準である9000円を意識するところまで下値を試すのか、この水準から戻るのかを確認するような動きとなるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、7月安値水準も割り込んで、割安感も強まっているのですが、底堅さはまだ見られません。移動平均線や基準線からの乖離も大きく、この水準から下押す場面では買戻しも入り底値を探る動きとなるものと思います。

円相場

NYダウ

 底堅いといえば底堅いのですが、戻りも鈍く底値圏のもみ合いとなっています。ストキャスティックスは底値圏にあり、RSIも下落余地もあるのですが、水準としては低く、過熱感があるわけでもないでのすが、単純に買い気に乏しいということのようです。遅行線が日々線の高値と「天−底」一致となって底入れとなるのかもしれません。

銘柄ピックアップ

好材料や米国株高への反応せず軟調なものが多い

ファーストリテイ( 9983) 15860 △ 40

 先週末まで4日続落となったことの反動や3連休の創業60周年セールが予想以上の盛況であったと伝えられたことから堅調な始まりとなりましたが、相場全体の地合いの悪さに押され徐々に値を消す展開となり、一時軟調となる場面もありましたが、後場に入ってからは底堅さも見られ、小動き、小幅高の引けとなりました。

日 立( 6501) 248 ▼ 5

 英高速鉄道の一部区間について受注する見通しと新聞で報じられたことや米国株高を受けて堅調な始まりとなりましたが、先週発表した大型増資での需給悪化を嫌気する売りに押され上値の重さが確認されると見切り売りもかさんで軟調となりました。

ワコム( 6727) 179500 △ 7000

 「ウインドウズ7」が好調でタッチパネルを増産、来年度は今年度の2倍の出荷を見込むと新聞で報じられ、全体に手詰まり感が強い中で素直に好感されて買われ、大幅高となりました。

武富士( 8564) 369 ▼ 27

 格付け会社による長期発行体格付け及び長期無担保債務格付けが引き去れたことが嫌気されて見切り売りがかさみ大幅下落となりました。

日光電( 6849) 1504 ▼ 119

 大幅反落となりました。先週末の引け後に同社が製造販売する自動対外式除細動器(AED)を自主回収すると発表したことから売られました。業績への影響は軽微としていますが、業績上方修正を発表してから大幅に上昇していた反動もあり大きな下げとなりました。

日電硝( 5214) 996 △ 9

 来年は液晶ガラス基盤事業で需要増が期待され、かつ液晶ガラス基盤の下落が小幅に止まりそうであるとして外資系証券が投資判断を最下位から最上位まで2段階引き上げたことが好感されて買われ、堅調となりました。

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