超低金利継続期待が強まり、住宅指標の好転や商品市況高などもあって大幅上昇清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年11月24日 08時47分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10450.95△132.79

<NASDAQ>2176.01△29.97

<為替:NY終値>88.96-89.02

超低金利継続期待が強まり、住宅指標の好転や商品市況高などもあって大幅上昇

 週末に利益確定売りに押されて軟調となったものの、日本市場が休場の間の週明けには大幅高となりました。金融当局幹部が住宅ローン担保証券(MBS)の買い切り延長が望ましいと述べたことから、超低金利が継続するとの期待が強まり、リスク許容度が上昇、金先物価格が高値を更新して大幅高となるなど商品市況も堅調となり、資源株や素材株などを中心に大幅高となりました。また、中古住宅販売が予想を上回るなど、景気回復が確認されたことや企業業績の回復が期待されることから、また、投資判断の引き上げが相次いだことも買い直しにつながり、指数を押し上げました。

 金利低下が続くことや企業業績が回復傾向にあること、また住宅関連の指標が予想を上回ったことなどから懸念されている雇用や個人消費も好転するだろうという楽観的な見方も多く、買い気も強まっているようです。同時に金利が低いことでリスク許容度が上昇、投資や投機に振り向けられる資金も潤沢になっているものと思います。そうして、商品市況などへの資金流入を見てますます、投機的な資金を呼ぶ込むことになり、株式市場も押し上げられているということなのでしょう。「出口戦略」が取りざたされるところや過熱感が出るところでは調整となるのでしょうが、強含みの展開は続きそうです。

 個別には金価格や原油価格の上昇を受けて金鉱株やエネルギー株が高く、エクソン・モービルやシェブロン、ニューモント・マイニングなどは堅調となりました。キャタピラーやインテルなども景気回復期待から堅調となりましたが、上値の重さも見られました。アルコアやメルクなどは利益確定売りなどに押されて軟調となり、投資判断の引き上げのあったアメリカン・エキスプレスが高く、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなど金融株も軒並み堅調となりました。住宅株はまちまちとなり、DRホートンは投資判断の引き上げもあって堅調、トール・ブラザーズは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株安やデフレスパイラル懸念から大幅安となる場面もあったのですが、銀行株など売られすぎの銘柄には3連休を控えていることもあって買戻しも入り、底堅い展開となりました。日経平均は軟調となったのですが、TOPIXは小幅高、東証マザーズ指数は大幅高となるなど底堅い堅調なものも見られました。ただ、主力銘柄には手仕舞い売りや持高調整と見られる売りは続き、上値を押さえる要因となっていました。依然として政策の方向感は見えず、買い気に乏しい展開が続いています。

 日本市場が休場の間の米国市場が大幅高となったことから、日本市場も反発が期待されます。先週までは政策懸念、増資懸念に加え、持高調整の売りが続いていたこともあり、軟調な地合いとなっていましたが、増資懸念や政策に対する懸念は依然として残るものの、為替の落ち着きや対米ドル以外で円高一服となった感もあり、持高調整の売りが止まる可能性も出てきました。商品市況が堅調なことから資源株や非鉄株が相場を牽引する格好となれば戻りを試す展開となるのでしょう。

 連休前の週末はそれまでと違い、TOPIXが堅調、日経平均が軟調となりました。為替も落ち着いていることなどから買いが入れば日経平均も9500円水準の節目でサポートされたという意識が強くなり、底入れとなる可能性もありそうです。TOPIXが850から60の水準で上値を押さえられる、日経平均は9700円程度までしか戻らないかもしれませんが、本日はとりあえず反発が期待され、日経平均の9500円水準が底値と確認できるかどうかを試すことになりそうです。

本日の注目点

◇11月の金融経済月報(日銀)

◇10月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会)

◇7−9月期の米GDP(改定値)

◇9月の米FHFA住宅価格指数

◇9月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数

◇米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公開(11月3−4日分)

◇決算・2−10月期:ダイドードリンコ(2590)

◇決算・5−10月期:ユニバース(3078)

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