コラム
» 2009年11月23日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:農業がもうからないのは……マーケティング不足? (1/2)

多額の補助金の投入が検討されている日本の農業。しかし、ちきりんさんは「農業がもうからない」と決め付けてはいけないと主張。「もっと、マーケティングを行ってみてはどうか?」と提案します。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年3月9日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 さまざまな分野で意見が対立している自民党と民主党ですが、農業については“誰に”バラマクかが違うだけで、両方とも基本的にはバラマキ政策です。しかし、ちきりんとしては、なぜ最初から「農業はもうからない。国際競争力がない。だから税金で補助すべきだ」という方向でしか考えないのかが気になります。

 「より多く、より高く売ってもうけよう」とするより「いかに補助金をつけてもらうか」を考える方が、圧倒的に合理的であるほど補助金の額が巨大なのかもしれませんが、それにしてもあまりに不可思議な産業であるようにみえます。

なぜ日本のネギは中国のネギに勝てないのか?

 6年ほど前、日本のネギ農家を守るために中国からのネギ輸入を規制しようという議論がありました。「中国産はコストが安すぎて、とても対抗できない」という意見が大勢で、「日本でネギなんて作らなくてもいい」という意見までありました。

 でも、“香味野菜”として香りが重要で、あんなにしおれやすい野菜が外国産に負けている、という時点で、ちきりんは「それは努力不足では?」と感じてしまいます。海外から輸送されてもまったく品質が劣化しない家電製品とは違って、野菜なんて取れたての方がおいしいに決まっています。どんなに気を遣っても、あちこち運ばれる時の振動や環境変化が野菜にいいわけがない。何で日本のネギが中国のネギに勝てないかな?

 フランスで朝ご飯を食べると、卵のおいしさに感動します。乳製品はもちろん、トマト、ニンジンなど野菜もおいしい。でも特に卵は格別で、これが両親が言っていた「昔の卵はおいしかった」というやつね、と思います。これから急速に高齢化が進む日本。年を取れば食べる量は減るわけで、少量でおいしいものを高めの価格設定で買う層は少なくないはずです。

 でも、ネギを始めとする野菜について、新鮮さや風味のよさを農家や農協の関連団体が大々的にアピールしている広告をどのくらい見たことがありますか? ちきりんの知る限り、大々的な野菜のマーケティングは、企業が市場に参入しているきのこやトマトに限られています。

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