インタビュー
» 2009年11月19日 08時00分 UPDATE

田村社長に“働く”について聞いてきた:スペシャリストを目指したいのに、雑用が多くて困っています

スペシャリストを目指したいのに、上司からは雑用などを命じられ、困っているKさん。JR東日本ウォータービジネスの田村社長も、かつては同じような悩みを抱えていたとか。そんなKさんに田村社長はどのようなアドバイスをしたのだろうか。

[土肥義則,Business Media 誠]

 スペシャリストを目指しているのに、飲み会の幹事などを任せられたりして「なかなか仕事に集中できない」といった人もいるのでは。そんな悩みを抱えている人に、JR東日本ウォータービジネスの田村修社長はどのようなアドバイスを送ったのだろうか。

大手メーカー勤務、28歳男性、Kさん

メーカー宣伝部に勤務しています。一昨年、念願の宣伝部に配属され、ここで宣伝のスペシャリストとしてプロを目指し、情熱を持って仕事をしています。私は宣伝というプロ領域を持ったうえで、会社員になったからにはいずれ経営に携わってみたいと思っています。しかし、悩みの種は上司の宣伝部長。「本部内の業務改善プロジェクトのメンバーに入れ!」と命じられるし、レクやら送別会の「幹事をやれ!」とも言われます。しかし、私は、その時間があるなら宣伝の仕事だけに集中し、宣伝のプロになりたいのです。若干混乱している私に何かアドバイスをいただけませんか?


宣伝のプロに近づくこと

yd_tamura.jpg 田村修社長

 まずKさんにとって大切なのは、宣伝に打ち込みスペシャリストとなり、宣伝のプロに近づくことだと思います。実は、私も不動産のプロを志していました。不動産鑑定士の資格も取得し、泥臭い不動産の仕事も好きでした。10年の経験を重ね不動産のプロを目指しました。しかし、現在、飲料ビジネス会社の社長をしています。不動産とは異なる分野ですが、不動産のプロを目指すことで培った投資、法務などの実践的スキルは今でも私のよりどころです。社長の立場から見ても各社員がプロとして成果を出してくれるのが会社のあるべき姿です。だから、Kさんのように組織の中で情熱を傾ける仕事に出合え、そのプロになれるとしたら幸運なことです。Kさんも「宣伝の仕事をしたい」と訴え続けるべきでしょう。

 ただし、会社は組織ですから個々のプロのみでは実現できないこともあります。実際、会社の危機は個々のプロだけでは超越できない面もあるし、仕事の枠を超えたプロジェクトから知恵が生まれることもあります。そんな時、Kさんと同じころのことを思い出します。当時、私は不動産のプロになろうと夢中でしたが、自分の業務以外にもかなり顔を突っ込みました。横断プロジェクトはもちろん、何々の幹事といった皆が避ける仕事も引き受けました。結果、そこから会社の姿が見えてきたし、組織について考えることもあり、多くを学びました。

 察するに、Kさんも組織で働く以上は宣伝以外の仕事をすることもありえますし、頑張れば経営に携わる日も見えてくるはず。だから、Kさんも、プロ領域を持つことを前提に、組織人として何事にも貪欲であってほしいと思うのです。私は、会社の若手社員らにプロになる環境は整えつつも、横断プロジェクトへは参加させますし、それこそ幹事もやらせます。弊社でバイヤーに従事し、バイヤーのプロを志向する若手社員がいました。彼には何でもやらせました。ところが、彼はJR東日本の新プロジェクトのメンバーに抜擢されて急に転勤。今はバイヤーから離れましたが、若手キーマンとして活躍の評が聞かれます。

 部長さんの人柄を存じあげないので何とも言えませんが、部長さんの「あれやれ! これやれ!」の言葉にはこんな思いが込められているのかもしれません。

プロフィール:田村修(たむら・おさむ)

1967年生まれ。1991年、早稲田大学法学部を卒業後、JR東日本に入社。入社後一環して非鉄道分野、特に不動産事業分野を歩む。2005年 12月、飲料会社準備室に配属され、2006年8 月、JR東日本ウォータービジネス設立とともに取締役営業本部長に。2009年6月から同社代表取締役社長。JR東日本ウォータービジネスはJR東日本 100%出資の飲料ビジネス会社で、エキナカを中心にブランドミックス自販機「acure」の展開やミネラルウオーター「From AQUA」などの企画製造、グループ向け飲料卸等を手掛ける。


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