個人消費などの回復期待や好決算を受けて反発清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年11月16日 09時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10270.47△73.00

<NASDAQ>2167.88△18.86

<為替:NY終値>89.62-89.68

個人消費などの回復期待や好決算を受けて反発

 消費者態度指数(ミシガン大学調べ)が予想に反して下落となったのですが、小売業などでも予想を上回る決算や業績見通しを発表するものが見られ、個人消費の回復などを期待した買いが入り堅調となりました。前日の反動もあり、「ドルキャリー取引」なども見られ、リスク許容度が高まり、株式や金などに資金が向かったものと思われます。原油価格が大きく上昇することなく落ち着いた動きであることからインフレ懸念が強まることもなく、週末と言うことで買戻しを急ぐ動きもあったものと思います。

 前日は軟調となりましたが、押し目を確認したかのように反発となりました。個人消費に底入れ感が強まり、クリスマス商戦にも期待が持てそうな雰囲気になり、市場全体に一段と楽観的な雰囲気が出て来たものと思います。商品市況も金は高いのですが原油などが軟調となるなど過熱感が出ているわけでもなく、インフレ懸念には結びつかないと言うことなのだと思います。経済指標の回復の鈍さも企業業績の底入れ感が強まっており、センチメントは依然として上向きと見ても良いのでしょう。

 個別には前日の引け後に発表した決算で一株利益が予想を大きく上回ったウォルトディズニーが大幅高、業績予想を引き上げたJCペニーや決算が予想を上回ったアバクロンビー・アンド・フィッチ(カジュアル衣料)も高くなりました。投資判断の引き上げのあったグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーも大幅高となり、新型機に新たな不具合が見つかったと報じられたボーイングも小幅高となるなど地合いの良さを示していましたが、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどは三菱UFJが年内に1兆円規模の増資を実施すると伝えられてADR(米預託証券)が大幅下落となったことなどを嫌気して売られました。

本日の相場

日経平均

 週末の日本市場は米国株安を受けて軟調となったものの、前日に既に下落していたことや為替が円安に振れたこともあり、底堅い展開となりました。オプションSQ(特別清算指数)算出に絡んではほとんど動きはなく、外国人が買い越しと伝えられたことも底堅い理由の一つであったと思います。ただ、相変わらず持高調整の売り買いが中心で方向感はなく、電力株や電鉄株が金利低下を好感する動きや売られ過ぎの反動から堅調となり、指数指数を下支えした面もあるものと思います。市場全体の方向感は相変わらず見えないという感じです。

 米国市場が引き続き堅調となったことで底堅い展開となるのでしょうが、大型増資が相次いでいることで目先的な需給の悪化などを嫌気して上値も限定的となりそうです。朝方に7−9月期GDP(国内総生産)の発表もありますが、4−6月期よりも下振れすることがない限り大きな影響はないものと思われます。銀行株や大手電機株など大型増資懸念のあるものは売り優勢となりそうで、指数を下押す要因となるものと思います。ただ、業績面では底入れ感も根強く、全体としては底堅い展開となるのでしょう。

 日経平均は下値は9700円、上値は10000円と言う水準でのもみ合いと見られます。ただ、銀行株などの下落で9700円水準を割り込む場面もあるのかもしれません。持高調整の売りが続くようであれば、今後9500円前後までの下落の可能性もありそうです。持高調整の売りが出ているうちは10000円前後で上値を押さえられるものと思います。週初に持高調整の売りが出れば少なくとも週間を通して売りが続く可能性もありそうです。

本日の注目点

◇白川日銀総裁が講演(都内)

◇7−9月期のGDP速報(内閣府)

◇7−9月の太陽電池出荷統計(太陽光発電協会)

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が講演(ニューヨーク)

◇10月の米小売売上高

◇決算・7−9月期:米ゼネラル・モーターズ(GM)

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