円安や金利低下に反応せず、米国株安を受けて持高調整などに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年11月13日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 オプションSQ(特別清算指数)算出や週末ということも関係があるのかないのか、相変わらず方向感のない展開となりました。決算動向に反応する動きも長続きしない状況は全く変わらず、為替や債券の動きにもほとんど反応がないことも是までと変わりありません。円安に振れたのですが電力株や電鉄株が高く、一応債券が買われて金利が低下したことなどが理由として挙げられますが、あくまでも目先的な持高調整の買い戻しが入ったということだと思います。

 新政権での予算策定、「仕分け作業」が話題になっていますが、経済活性化とは程遠い、「見世物」となっているようです。本来であれば、予算編成の状況で経済の方向性、内需拡大なのか、輸出奨励なのかなど、方向性が見られ、「環境関連は買いだ」とか「道路株は割安だ」などという見方もできるのですが単なる「仕分け作業」と言う「ショー」を見せているだけでは株価の材料にもなりません。

 「仕分け作業」をしている人達もまるで自分が悪を倒す正義の味方、「ヒーロー」「ヒロイン」になったかのごとく鼻息が荒いようですが、「仮面ライダー」が「ショッカー」をやっつけるわけでもなく「御老公」が「悪代官」を懲らしめるわけでもないのですから、そんなに鼻息を荒げてばかりいないで、経済の活性化、つまり国を富ませる方向性を示すことが大切なのだと思います。無駄を削ることは大切ですが「何が出来るのか」も是非示してもらいたいものです。国や企業が富むことが、国民の生活を富ませることになり、その方向が見えればお金の流れも見てくると思います。

 引き続き政策に関係のないところで収益が拡大する企業への投資を考えていった方が良いと思います。その中で、「アジア(中東なども含めて)の『内需拡大』と言うことを考えて見ても良いかもしれません。「日米欧」と言うくくりではなく、「亜米欧」という中でお金の流れ、ものの流れを考え、「内需関連」銘柄を物色してみてもいいのかもしれません。オーストラリアやインドネシアなどで原料を調達して、インドで作って、中国で売るなどという流れなどが今後拡大して来るのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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