「ドルキャリー取引」の解消=手仕舞い売りで軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年11月13日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10197.47▼93.79

<NASDAQ>2149.02▼17.88

<為替:NY終値>90.35-90.41

「ドルキャリー取引」の解消=手仕舞い売りで軟調

 これまで堅調となっていたことや原油価格の下落などを受けて、利益確定売りも絡み軟調な始まりとなりましたが、小売株の決算が予想を上回り、M&A(企業の合併・買収)に絡む話題などもあって、堅調となる場面もありました。ただ、商品市場なども含めてドルキャリー取引の解消と見られるような動きもあり、全般的に手仕舞い売りを急ぐ動きとなったものと思います。それでも、石油株などを含めてこれまでの上昇時の勢いに比べると下落幅も小さく、まだ手仕舞い売りという状況であり、センチメントに変化は見られないものと思います。

 引き続き基調は強含みで、目先的な過熱感、高値警戒感からの手仕舞い売りという段階ではないかと思います。個人消費関連=小売り株などにも業績の回復が見られることから、依然として景気回復期待は根強く、クリスマス商戦を見極めるまでは目先の過熱感からの利益確定売りは出ても下値は売り叩き難いのではないかと思います。インフレ懸念が薄れるという意味でも利益確定売りでの適度な調整は市場の健全性を示すものと見ておいてもいいのではないかと思います。

 個別には原油価格が軟調となったことでエクソンモービルやシェブロンなど石油株が軟調、利益確定売りに押されてインテルやIBMといったハイテク銘柄も軒並み軟調となるものが見られました。ウォルマートは決算が予想を上回ったことで堅調、ジョンソン&ジョンソンやクラフトフーズなどのディフェンシブ銘柄は買戻しなどもあって堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日も「相変わらず」と言う感じで寄り付きは米国株高などを好感して買い先行となったものの、寄り付きの買いが一巡すると方向感のない展開となりました。それでも前場のうちは値を保っていたのですが、後場に入ると持高調整の売りに加え上値の重さを嫌気した見切り売りもかさんでじり安となり、軟調となりました。好業績を発表した銘柄なども好材料は長続きせず、特に材料もないなかで持高調整の売りに押されるものが多くなっています。

 本日は米国株も軟調となったことから軟調となりそうですが、昨日先取りするように軟調となっていたこともあり、底堅さも見られるものと思います。為替も円安に振れたことや週末ということもあり、オプションSQ(特別清算指数)算出後は買戻しなども見られるものと思います。ただ、急激に買い気を煽るような材料にも乏しいことから引き続き買い気の乏しい展開でSQ後に持高調整の売りが出れば買い戻して堅調となっていても、一段下押す場面もあるのかもしれません。資源株などが一服、ディフェンシブ銘柄などは買い戻しで底堅さも見られるのではないかと思います。

 指数は小動きとなっています。引き続き10000円を意識する水準では上値を押さえられるものと思われ、下値を探るような動きとなりそうです。昨日の下落で月曜日から火曜日にかけて空けた「窓」を埋めて押し目を確認でき、遅行線も日々線にサポートされて底堅さが見られる可能性もありそうですが、持高調整の売りが続くようであれば、先週の安値水準である9700円の安値を窺う動きとなるのでしょう。いずれにしても積極的に買い上がる材料には乏しく、個別にアジアで活躍しているような銘柄や好業績銘柄などが物色されることなのでしょう。

本日の注目点

◇オバマ米大統領が来日

◇10月の消費動向調査(内閣府)

◇9月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇9月の米貿易収支

◇7−9月期のユーロ圏GDP(速報値)

◇決算・4−9月期:日本航空(9205)、みずほFG(8411)、三井住友FG(8316)、マツモトキヨシHD(3088)、丸井G(8252)、エディオン(2730)、大日本印刷(7912)

◇決算・9月期:サイバーエージェント(4751)、学研HD(9470)

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