米国株高について行けず持高調整の売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年11月12日 16時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9804.49円 ▼67.19円
売買高 17億9127万株
日経平均先物 9790円 ▼90円
売買代金 1兆2374億円
TOPIX 867.70 ▼4.59
値上がり銘柄 263銘柄
東証マザーズ指数 399.82 ▼5.07
値下がり銘柄 1311銘柄
日経ジャスダック平均 1169.96円 ▼10.33円
変わらず 95銘柄
騰落レシオ 85.25% ▼3.85%

日経平均

米国株高について行けず持高調整の売りに押されて軟調

 米国市場は堅調となり、為替も落ち着いた動きということに加え、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10ベース)も買い越しと伝えられたことから買い先行となりました。ただ、相変わらず買い気に乏しい展開で、寄り付きの買いが一巡した後は方向感なく小動きとなりました。前場の動きは上下40円にも満たない膠着相場となりました。ハイテク銘柄や非鉄株などが米国景気の回復や商品市況が堅調なことから買われて指数を下支えする一方で、医薬品株や電力株などディフェンシブ銘柄が売られて上値を押さえる展開となりました。

 後場に入ると御他聞に漏れず上値の重さを嫌気して見切り売りがかさみ軟調となりました。特に材料が出たわけでもないのですが、寄り付きから売り物がちに始まった後も買いが入らず、買い気の乏しさが確認されると持高調整の売りに加え、堅調だった銘柄にも目先筋の見切り売りがかさんで指数も軟調となりました。好業績を発表して買われた銘柄も買いが長続きせず、政策の方向性も見られないことから、いったん戻りの鈍さ、上値の重さが確認されると買い手が引っ込み売り急ぐ動きとなるようです。腰の据わった買いはいっこうに見られず、ちょっとした持高調整の売りに押されているものと思います。

 小型銘柄も軟調なものが目立ち、インターネット関連銘柄などにも見切り売りがかさんで東証マザーズ指数は大幅下落、二部株指数や日経ジャスダック平均も主力銘柄以上の下落となりました。買い気に乏しいなかでちょっとした見切り売りでも大きく値を崩されてしまうようです。先物もまとまった売り買いはほとんど見られなかったのですが、後場中ごろからまとまった売りが出て指数を下押す要因となりました。その後は目先筋の買戻しも入り底堅さも見られましたが、盛り上がりに欠ける相場の中で戻りも限定的となり、最後も見切り売りがかさんで軟調となりました。

 毎日同じような相場展開となっていますが、いっこうに買い気が出てきません。かといって下値を売り叩くわけでもなく、方向感のない展開が続いています。何がどうなれば上昇するのかと聞かれるのですが、景気浮揚、企業業績の底上げとなるような内需拡大策が示されるとか、持高調整の売りが一巡するということで戻すのではないかと思います。それでも、企業業績の回復基調が続くということが政策面で後押しできないと指数は戻りも限定的となってしまうものと思います。まだまだ、「森を見るよりも木を見る」ことに分がありそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線の安値の日柄と一致して来ました。明日明後日としっかりと上昇しないと再び「逆転」となり調整が長くなってしまいそうです。RSIは下落余地はあるものの底値圏から、ストキャスティックスは底値圏からの反発となっており、明日明後日で戻り切らずに調整となっても下値も限定されるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込んでしまいそうです。明日大きく上昇しないことには調整がここから始まるような展開となりそうです。ストキャスティックスは底値圏にありながらもまだ反発を示唆しておらず、RSIも下げ足りないことから、まだ下値を試すような調整となって、調整が長くなる可能性がありそうです。

円相場

NYダウ

 弱含みの展開が続いているのですが、遅行線が日々線に合わせての動きであり、日々線も雲に上値を押さえられる動きが続いているだけということです。RSIもストキャスティックスもまだ下値余地があるのですが、遅行線が日々線の底値の日柄となったので、ここからの反発が期待されます。

銘柄ピックアップ

相変わらず買い気に乏しく持高調整の売りが続く

武 田(4502) 3520 ▼50

 特に売り材料があったわけではないのですが、ディフェンシブ銘柄が持高調整の売り対象となるなかで、見切り売りもかさみ軟調となりました。

Fマート(8028) 2525 △40

 筆頭株主の伊藤忠(8001)と共同で、エーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を買収すると新聞で報じられ、収益拡大を期待した買いが入り堅調となりました。

タカラトミー(7867) 828 △38

 昨日の引け後に2010年3月期連結業績見通しの上方修正を発表、増配も発表したことや合併以来の最高益更新ということが素直に好感されて買われ、大幅高となりました。

郵 船(9101) 314 ▼13

 バルチック海運指数は上昇しているのですが、1500円規模の大型増資を行う見込みと新聞で報じられ、株主価値の希薄化を嫌気した売りがかさんで大幅下落となりました。

富士重(7270) 357 △15

 2日に発表した2009年4−9月期決算が「自動車セクター内で最大のサプライズ(驚き)」として、コスト削減を評価し、外資系証券が投資判断を2段階引き上げたことから買われ、大幅高となりました。

清水建(1803) 339 ▼13

 後場の取引時間中に2010年3月期の連結業績を発表、従来予想を大きく下方修正したことから嫌気する売りに押されて、大幅安となりました。受注環境は依然として厳しい状況であり、回復も見えないことから売り急ぐ動きとあったものと思います。

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