関心はあるけれど……景気低迷でエコ意識も低下

» 2009年11月12日 12時20分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 鳩山由紀夫首相が2020年までに1990年比で温室効果ガスを25%削減するという目標を明らかにするなど、政府は環境への取り組みを一層強めている。その一方で、消費者の環境意識はどのように変化しているのだろうか。

 MM総研の調査によると、「環境問題に関心はありますか?」と尋ねると、「関心がある(非常に関心がある+やや関心がある)」は80.8%。5人に4人は関心を持っているようだが、昨年(86.0%)と比較すると6ポイント低下している。

 「多少高くても環境に良い商品を選びますか?」と聞くと、「あてはまる(ややあてはまるを含む)」は41.1%。こちらでも昨年(45.7%)と比較すると4.6ポイント低下しており、MM総研では「景気低迷の影響で低価格志向が広がっていることによるもの」と分析している。

多少高くても環境に良い商品を選びますか? (出典:MM総研)

テレビが人気の理由は……

 具体的にはどの環境を意識した商品に人気があるのだろうか。省エネを理由にした家電製品などの購入経験を尋ねたところ、最も多かったのは「テレビ」で37.8%。以下、「エアコン」(36.4%)、「冷蔵庫」(33.4%)、「照明器具」(27.2%)、「洗濯機」(21.1%)が続いた。

 テレビは昨年(25.2%)より12.6ポイントも増加しているが、MM総研では「エコポイントと2011年のアナログ放送終了によって、地デジ対応の薄型テレビへの買い替えが進んでいると考えられる」とコメントしている。

省エネを理由にした家電製品やPCの購入経験(出典:MM総研)

 「環境対策に力を入れていると感じる企業は?」と聞くと、トップは「トヨタ自動車」で39.9%と断トツ。以下、「サントリー」(9.8%)、「パナソニック」(8.9%)、「シャープ」(8.2%)、「本田技研工業」(6.5%)、「イオン」(6.1%)、「東京電力」(6.0%)が続いた。

 トヨタ自動車は2年連続のトップで、昨年より7.1ポイントの増加。トヨタ自動車を挙げた理由として、ほとんどの人が「環境に良い商品(ハイブリッドカー)を販売している」と答えており、「4月から開始したエコカー減税の実施によって、同社のハイブリッドカー『プリウス』の注目度がさらに高まったことなどが、理由として考えられる」(MM総研)。

 インターネットによる調査で、対象は男女1049人(男性49.6%、女性50.4%)。調査期間は10月21日から27日。

環境対策に力を入れていると感じる企業は? (クリックで拡大、出典:MM総研)

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