予想を上回る機械受注への反応も鈍く、買い気の乏しい展開が続く清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年11月11日 16時23分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9871.68円 △0.95円
売買高 16億9757万株
日経平均先物 9880円 △10円
売買代金 1兆1447億円
TOPIX 872.29 ▼0.15
値上がり銘柄 461銘柄
東証マザーズ指数 404.89 ▼12.89
値下がり銘柄 1061銘柄
日経ジャスダック平均 1180.29円 ▼7.08円
変わらず 148銘柄
騰落レシオ 89.10% ▼0.31%

日経平均

予想を上回る機械受注への反応も鈍く、買い気の乏しい展開が続く

 米国市場は引き続き底堅い堅調な展開であり、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられ、寄り付き前に発表になった機械受注は大きく予想を上回ったことから、買い先行となりました。ただ、相変わらず持高調整の売り買いが中心で積極的な買い気に乏しく、中国の経済指標の発表を気にする向きもあり、いつものことながら寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い、方向感のない展開となりました。機械株や電力株が高かったのですが、特に買い急ぐ動きもなく、為替も円高傾向にあることからハイテク銘柄などへの買いも限られ、上値の重い展開となりました。

 後場も寄り付きから積極的な売り買いに乏しい方向感のない展開となりました。中国の経済指標も改善を示すものとなったのですが、特に材料視することもなく、上値の重さが確認されては見切り売りに押される展開となり、前日の終値を下回る場面もありました。さすがに、売り急ぐようなこともないのですが、最後まで買い気は見られず、政策の進展もなく、為替が円高方向に振れたことを嫌気してじりじりと値を消すものが多くなりました。結局最後は日経平均はかろうじてプラスとはなったものの、値下り銘柄が1000銘柄を超え、TOPIXは軟調となるなど経済指標などへの反応が鈍いさえない展開となりました。

 小型銘柄も買戻しが少ない分、主力銘柄よりも下げがきつくなって、終始軟調な展開が続きました。東証マザーズ指数はインターネット関連銘柄などが売られて大幅安、二部株指数や日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物は相変わらず閑散とした状況で、まとまった売り買いは散発的に見られるだけで、大きく方向感を出すようなこともありませんでした。いつものことながら、目先筋の小口の売買が中心となっていたものと思います。

 いっこうに買い気の出ない相場となっています。ようやく、政策の方向性が見えないことなども取りざたされ始めましたが、好調な業績も続くのかどうかに対する懸念が根強いようです。新聞等での指摘も見られますが、日本郵政の人事の問題で新政権の方向性が測られると、とてもではないが経済の成長が見られないということになるのではないかと思います。引き続き、「森を見るよりも木を見る」スタンスで対処した方がよさそうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 底堅さが見られたことで遅行線が日々線を抜け掛かって来ましたが、ローソク足の形は昨日と全く同じ様な形で手掛かり難であることを示しています。雲のねじれの日柄、遅行線が日々線の底値の日柄にあり、動きが出てもいいところです。RSIは下落余地もあるのですが、底値圏にあり、ストキャスティックスは底値圏からの反発を示しているので戻りを試す動きとなるかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 底堅さも見られる一方で上値の重い、戻りの鈍い展開となっています。遅行線がここから日々線にサポートされ、あるいは日々線に絡みながら上昇に転じることが出来るのかどうかが注目されます。RSIは下落余地もあるのですが、低い水準であり、ストキャスティックスも底値圏からの反発を示唆しており、戻りを試す展開となることが期待されます。明日明後日あたりで、10月安値を割り込まなければ戻り歩調、割り込んでしまうと一段の下値を確認するような展開となるものと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き遅行線が日々線にサポートされながら下値を探る動きとなっています。日々線は基準線や雲に上値も押さえられており、身動きが取れない、ような状況です。RSIもストキャスティックスも下値余地はあるのですが、底堅さも見られ、いよいよ遅行線が日々線の底値の日柄に応答してくるところであり、動きも出てくるものと思います。

銘柄ピックアップ

持高調整の売り買いに振らされる状況が続いている

NTT(9432) 3750 △160

 大幅高となりました。NTTドコモ(9437)の業績悪化により業績低迷が意識されて売られていた反動に加え、外資系証券が自社株買いの実施や増益基調への回復が期待出来るとして「買い」のリストに加えたと報じられたことが好感されて買われ大幅高となりました。

ヤクルト(2267) 2555 △140

 年初来高値更新となりました。昨日の取引時間中に2010年3月期の連結決算を発表。従来の減益予想から一転増益になりそうだと発表したことが引き続き好感されて、「買える銘柄」として物色されたものと思います。

セ硝子(4044) 403 △48

 自動車用ガラスの数量が回復したことから短期的にガラス部門の収支が大きく改善する見込みとして外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感されて大幅高となりました。

日風開(2766) 297500 ▼29500

 昨日の引け後に公募増資を発表、株式価値の希薄化を嫌気した売りがかさみ大幅下落となりました。増資ラッシュとなっていますが、同様に日機装(6376)も大幅下落となっており、「増資」と発表しただけで売り要因となってしまうようです。

コジマ(7513) 517 △62

 昨日の引け後に、エコポイント効果などで薄型テレビの販売が増加したことなどから、2010年3月期の連結経常損益の予想を上方修正、素直に好感する買いが入り大幅高となりました。

イオン(8267) 736 ▼39

 売り気配で始まり大幅下落となりました。昨日の引け後に新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行すると発表。この夏からの下落基調で既に織り込み済みとの見方もありましたが、株式価値の希薄化懸念から売り急ぐ動きとなりました。

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