コラム
» 2009年11月11日 08時00分 UPDATE

企業は性格で人を採用するべきか? (1/2)

適性検査と称して性格検査を実施している企業が多くあります。なぜ企業は性格を知りたがるのでしょうか? 性格の問題ととらえているような部分は、実は別の検査を実施しなくてはならないのではないでしょうか。

[中島康滋,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中島康滋(なかじま・こうじ)

社会共育研究所、特定非営利活動法人コモンビート代表。


 新卒採用、中途採用などで、入社のために適性検査と呼ばれるものをすることがあります。多くの企業がこうした検査を使って人材の採用をしていますが、その検査内容はさまざまです。

 人事関連で使う検査には、知的能力などを測るものもありますが、性格を測るものも多くあると言われています。なので、適性検査を性格検査と同一のものととらえている人も多いようです。

 性格というものの定義は難しいですが、一般的に「性格は変わらない」と言われています。先天性のもので、気質のようなものに近いのかもしれません。でも、その気質のようなものを測って一体どんな意味があるのでしょうか? これはまるでレントゲン検査をして、「キミは骨が曲がっているから病気になる可能性があるので不採用」と言われているようなものです。

企業が性格を知りたがるのはなぜか?

 私の知人は、仕事時はとても明るくて前向きで社交的に見えますが、個人の趣味はとても暗く、普段の彼からは想像もできません。実際、仕事の場というのは「適正な人格」を作って仕事をしているので、その人の本来の気質とはあまり関係がありません。

 仕事の環境においては、立場を演じ、その場の状況にどう対応できるかが重要ではないでしょうか。たとえ暗い性格でも明るく振る舞っていれば、皆は明るい人だと思うでしょう。仕事上で「明るく振る舞う必要」があり、それが無理なくできていれば、それで問題はないはずです。

 しかし、企業はそれだけではダメなようで、その奥に潜んでいる性格というものを掘り返し、本性(?)を見つけ出そうとします。こうした性格検査を実施しなければならない企業には、それなりに理由があるようです。

 まずは人事担当者が、「なんでこんなやつを採用したんだ?」と怒鳴られないためです。そのために性格を丹念に調べ、できるだけ問題とならない人(想定外の行動を起こさない人)を採用しようとします。ですから足切りということで、問題となりそうな人をできるかぎり排除しようとします。その問題とされることの1つが性格です。

 でも、考えてみてください。「問題を起こすか起こさないか」は、性格を調べて分かるのでしょうか? よく事件を起こした際、近所の人がインタビューされ、「そんなことする性格には見えませんでした」と答えているようなシーンがあります。「そういうことを起こしそうな性格」という言い方も分からなくはないですが、性格が良いから問題を起こさないというわけでもありません。

 また、ある有名な性格検査は、もともと軍などが使っていたものが基本となっていると聞いています。潜水艦に搭乗させるなどに当たって行っていた性格検査ということです。潜水艦というのは事故による致死率が高く、ちょっとした奇行が命取りになるそうです。そうしたことを起こすような性格の人を乗り込ませないように入念に検査をしていたそうです。

 そうした流れの検査を現代まで持ち込み、地上に勤める新入社員に対して実施しているのですから、とても不思議なものです。

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