コラム
» 2009年11月10日 08時00分 UPDATE

問題の分析をやめてみる解決法 (1/2)

問題が発生したら、まずその問題を分析し、根本原因を特定して、解決策を検討する、というのが普通のやり方。 しかし、問題に「人」の感情や価値観が絡みあう時は、分析すればするほど、わけが分からなくなることもありがち。そうした時にはどのように解決したらいいのだろうか。

[泉本行志,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:泉本行志(いずもと・たかし)

サンダーバード国際経営大学院卒業(MBA取得)。外資系大手経営コンサルティングファーム、外資系大手IT企業、ベンチャー企業での事業立ち上げを経て、株式会社アウトブレイン社を創業。現在はロジックと感情を融合した思考法を活用し、事業アイデアの立案・戦略策定・業務改善コンサルティング、問題解決手法の教育プログラムを開発・提供している。ブログ「Knowledge Bridge (知見を繋ぐ・感情を伝える〜)


 問題が発生したら、まずその問題を分析し、根本原因を特定して、解決策を検討する。 これは我々コンサルタントが通常行うプロセスです。しかし、問題を分析すればするほど、余計に複雑になり、わけが分からなくなることもあります。

 特に問題に「人」の感情や価値観が絡みあう時はそうです。また、解決策の実行計画を立てても、実際に「人」がそのように動かず、問題の解決には至らないというケースもよくあります。

 例えば、チーム内の問題を解決しようとメンバーを集めて、「なぜその問題が起こるのか?」と原因追究を試みたところ、結局みなで問題をこねくり回し、余計にややこしくなり問題の全容が見えなくなってしまう。さらに「誰が悪い、何が悪い」といった批判が始まり、チームの雰囲気が最悪な状態になってしまうケース。問題を解決するという目的を忘れて、問題それ自体に意識が奪われたため、「何をやっても無駄なんじゃないか」といったネガティブな気持ちが蔓延(まんえん)し、問題を必要以上に深刻化させてしまうケースもあります。

 セラピーの世界では、あえて患者の問題を分析(診断)せず、既にそれが解決した状態に焦点を当てることで、問題を解消してしまう手法があります。これは「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」と呼ばれるもので、分析的なアプローチ(問題志向)ではなく、どうすれば望む状態になるか(解決志向)に焦点を合わせます。

 問題を追及するのではなく、解決像を先にイメージして、肯定的な要素を探すことに意識を向けることで、短期間に望む変化を得ることができるというものです。

 このセラピーの現場から生まれた手法は、「人」の感情が絡み合うビジネスの現場でも応用できるアプローチです。 問題を分析しないで解決策を考えるというのは、我々ロジックを駆使するコンサルタントにとっては、一見馴染みがない考え方です。しかし、実際にビジネスの現場で、組織を運営したことがある人ならば、結構イメージがつくのではないでしょうか。

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