相変わらず米国市場や為替動向などに反応は鈍く小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年11月09日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 相変わらず買い気に乏しい展開で指数は小動きとなりました。相場全体の方向感はなく指数が小動きとなっていますが、業種別にどうこうと言うよりは同じ業種内でも売り買いまちまちとなっています。業績や材料に反応しているように見えて実は目先の需給、持高調整の売り買いばかりに振らされているということではないかと思います。米国市場動向や為替動向への反応も鈍いようで、相変わらず市場参加者が少ないということなのでしょう。

 ようやく、マスコミなども新政権の方向感のなさ、政策不在を取り上げ出しましたが、いっこうに政策の方向感が見られず、株式市場も方向感が見られません。決算発表が続々と行われているなかで、良いか悪いかといえば良い方が多く、指数ももう少し戻ってもいいのでしょうが、安心して買い上がれない、つまりどこではしごを外されるのかがわからず最後まで買い切れないということなのでしょう。政策に一定の方向感(それが「マニュフェスト」であるはずなのですが)が見られないことが先行きの不透明感に繋がっているのでしょう。

 今までのことを全て否定するのであれば否定すればそれはそれで対処の仕方もあるのでしょうが、それすらもわからない、何も決まらないということが一番の問題です。そうは言っても株式市場は毎日動いているのですから、ここは政策の方向性がどこにブレようが、どうなろうが、あちこちに飛んでいったとしても、しっかりと収益を上げられるような企業に「投資」すればいいのではないかと思います。目先的に値幅を取るというよりは超短期の「ディーリング」に徹するか、あるいは中長期の「投資」に徹する方が(いつものことではありますが)良いと思います。

 「エコポイント」や「エコカー減税」、「暫定税率」や「公共投資」はどうなるかわかりませんが、世界経済が拡大を続けていること、特に新興国での人口増加やGDP(国内総生産)の伸びが続くことは続くのでしょうし、環境問題はこれからの生活スタイルのなかで重要な部分を占めることになるのでしょうし、より心地よい生活を誰もが望むことは間違いのないことなのです、そうした「政策」に依存しない収益構造を持った企業への投資は目先の政策のブレに関わらず、長い目で見ることが出来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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