コラム
» 2009年11月09日 08時00分 UPDATE

藤田正美の時事日想:やはり鳩山政権は素人の集まり? 早くも出てきた迷走ぶり (1/2)

今週はオバマ大統領が日本にやって来るが、米軍の普天間基地問題を決着させることは難しいだろう。大臣の不用意な発言などにより、波風を立ててしまったこの問題に対し、鳩山政権はどのように処理していくのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


今週はオバマ米大統領が日本に来る。今回は前回の初顔合わせほど和やかな雰囲気にはなるまい。米軍の普天間基地移転問題の結論に達することは米国も期待してはいないだろうが、ずるずると結論を先延ばしすることに対してはしっかりと釘を刺してくるだろう。

安全保障問題や外交問題では、民主党のドタバタぶりが目立つ。政権の座についたことがない政党だから、これまでの経緯やら何やら初めて見たり聞いたりすることも多いのだろうと思う。知らなかったことも含めて官僚から説明を聞いているうちに、なるほどと納得しかかることもあるだろうし、あるいは官僚側が民主党のマニフェストと現実的な政策が矛盾しないような「こじつけ」をひねり出すということもあるように見える。

マニフェストからの方向転換が稚拙

 不幸なことに、安全保障の問題では原理論的な議論が幅をきかせている。そもそも米軍基地などいらないのだから、普天間基地の県内移設などは論外、即刻廃止あるいは国外移設をすべきだというような議論である。こういった論者とは、中国の軍事拡張路線の脅威にどう対応するのかというような現実的な話は通じにくい。軍事力も軍事力を行使するのも絶対的な悪であるからだ。

 民主党は、もちろんそれほどの原理論者ではないけれども、野党であるときには対米追従をキーワードに、イラクへの自衛隊派遣、インド洋での給油活動、ソマリア沖の海賊対策での自衛艦派遣と何でも反対してきた。普天間も同じである。そして民主党は、対米追従の代わりに国連中心主義をキーワードとして持ち出してくる。これはこれで問題はあると思うが、ひとまず置いておく。

 しかしいったん政権の座についたとき、国際的な約束事はそう簡単に反故(ほご)したり、見直したりできるものではない。問題は、それまでの主張と現実的な政策との整合性をどう取るのかということである。その意味で鳩山政権の失敗は、マニフェストからの方向転換がいかにも稚拙であるということだ。

 普天間問題に関して言えば、北澤防衛大臣の「辺野古移設は必ずしも国外、県外移設をめざすマニフェストに反していない」という発言やら、岡田外務大臣の「嘉手納統合もひとつの案」といった発言は、いったい何のために言ったのだろうか。それぞれの大臣が思いつきで発言したのならそれこそ論外。いろいろな案があっていいなどとのんびりした発言をする鳩山総理の気がしれない。なぜならそうした発言で、米国側は対応を考えてくるからである。意味もないバラバラ発言であるということになれば、今度はアドバルーンを上げて相手の行動を読もうとしても、相手はまともに反応しなくなる。

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