コラム
» 2009年11月05日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:本当に小沢一郎は豪腕なのだろうか? 足で稼がない政治記者たち (1/2)

民主党の小沢一郎幹事長について、どのようなイメージを持っているだろうか。「豪腕で無愛想」といった印象があるかもしれないが、ひょっとしたら新聞やテレビの“紋切り型”表現でダマされているかもしれない。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。 2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『ファンクション7』(講談社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥会津三泣き因習の殺意』(小学館文庫)、『みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎佐渡・酒田殺人航路』(双葉社)、『完黙 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎奥津軽編』(小学館文庫)、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。


 小沢一郎と聞いて、読者はどんなイメージを持つだろうか。「豪腕」に「無愛想」……。さまざまなキーワードで語られる小沢氏について、「選挙」という切り口で分析した興味深い書籍が刊行された。政治取材の経験がない筆者も一般読者と同じ目線で読み進めたが、著者が足で稼いだネタが満載され、お世辞抜きで面白いと感心した次第。今回の時事日想は、新たな切り口で小沢氏に迫る新刊本をフォーカスすると同時に、政治部という温室に安住する記者たちの実態も明らかにする。

政治とビジネス、異色のコラボ

yd_ozawa.jpg 小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』(かんき出版)

 今回紹介する書籍とは、『小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』(かんき出版)だ。

 ノンフィクション作家の野地秩嘉(のじ・つねよし)氏、日刊ゲンダイの編集記者・小塚かおる(こづか・かおる)氏による共著。同書の扉に書かれた文章によると、「小沢が好きか嫌いか、政策の是非を議論する本ではない」とのこと。

 世にあまたある新聞・雑誌が小沢氏に触れるとき、先の衆院選の結果も踏まえた上で「選挙の小沢」という言葉を頻繁に使う。しかし、その具体的な手法や戦術についてはほとんど我々一般人には伝わってこない。筆者が詳細を知りたいと望んでいた矢先だっただけに、同書は実にタイムリーだったのだ。

 同書は、小塚氏の“ドブ板”をベースに小沢選挙の詳細を伝え、野地氏が小沢選挙のキモをビジネスにどう生かすかをリレー解説する形で構成されている。

 多くの政治評論家が“色の付いた”小沢解説本を世に送り出しているが、同書は小沢氏に対する好き嫌いという観点を排除。その独特の戦術を分析、これをビジネスに応用するという切り口がウリだ。政治本とビジネス本という今までにない形の異色コラボとも言えるだろう。

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