インタビュー
» 2009年11月05日 08時00分 UPDATE

田村社長に“働く”について聞いてきた:新しい仕事に挑戦しても失敗ばかり……どうすればいいですか?

企業のトップに、読者からの悩みに答えてもらうシリーズ「“働く”について聞いてきた」。今回はJR東日本ウォータービジネスの田村修社長に話を聞いてきたが、一体どのような答えが返ってきたのだろうか。

[土肥義則,Business Media 誠]

 企業のトップに、読者からのさまざまな悩みについて答えていただくシリーズ「“働く”について聞いてきた」。これまではSBIホールディングスの北尾吉孝CEOに答えてもらったが(関連記事)、今週からはJR東日本ウォータービジネスの田村修社長にバトンタッチ。JR東日本という巨大組織に属しながら、田村社長は30代後半から経営に携わってきた。「私はサラリーマン社長なので、当然まだまだ勉強の身。読者の皆さんとともに考えていきたい」といったスタンスで答えてもらった。

質問:26歳男性、Aさん

入社4年目の社員です。仕事にも徐々に慣れ、責任ある仕事も任されるようになりました。日常業務をこなすだけでは成長はないと思い、企画提案などを行ってきましたが、失敗ばかりで思うような成果が出せません。先日も大切なプレゼンでポカをやってしまい、受注を逃してしまいました。「失敗は成功のもと」と前向きにとらえていたものの、さすがに最近は怒られてばかりで少し自信を失くしています。社長も若い時は失敗されたのでしょうか? また失敗したときは、どのような考えを持つべきなのでしょうか?


失敗と向き合っている今が“上昇期”

yd_tamura.jpg JR東日本ウォータービジネスの田村修社長

 Aさんは「失敗の連続」とのことですが、これまで私も失敗の連続でした。むしろ全体の80%が失敗、あるいは成果を出せなかったという感じではないでしょうか。20代も失敗ばかりしていました。ある外資系企業とのタイアップで新規業態導入を任されたものの、土壇場で破たん。海外現地視察までして万全を期したのですが、“詰めが甘かった”と言わざるを得ません。もちろん、これ以外も失敗の連続でした。

 現在のJR東日本ウォータービジネスでも、特に会社発足時は失敗の記憶しかありません。出だしからミスで膨大な飲料商品の在庫を抱えてしまい身動きできない状態になりましたし、大切な新商品の発売時期も、アクシデントにより見通しが立たない状況に陥りました。この間には、止むを得ない事情から自販機も減ってしまうし、ほかにもシビアな失敗が続出し……。あまりにも失敗が続くので社員皆で“御祓(おはら)い”に参じたほどです。不条理感さえ漂いました。

 私自身滅入りそうでしたが、とにかく社員に危機感を訴え続けました。「どうしたらいいか?」と、本当によく議論もしました。すると各社員からも危機感が芽生えてきて……。少しずつ失敗の挫折感が社内の結束感に転じていきました。結果、在庫の山は社員総出で売り尽くし、減ってしまった自販機も社員総出で新設交渉に挑み短期間に取り返せました。ですから、社内手続とコンプライアンスにそった上での失敗であれば、あとはそこから何を学べるかが全てではないでしょうか。気がつくと自販機売上が大きく伸長するなど、会社として大きな成果をあげることもできたのです。

 Aさん、プレゼンのポカも成功の始まりです。失敗と向き合い苦悩している今がきっと“上昇期”なのではないでしょうか。あきらめずにタフに向き合えれば、仮に無意識にであっても失敗から学べることは多いはず。同じ時代をビジネスで生きる仲間として、これからも共に失敗し、そして切磋琢磨(せっさたくま)しましょう。

yd_tamura1.jpg 会議をしている田村社長(左)

プロフィール:田村修(たむら・おさむ)

1967年生まれ。1991年、早稲田大学法学部を卒業後、JR東日本に入社。入社後一環して非鉄道分野、特に不動産事業分野を歩む。2005年12月、飲料会社準備室に配属され、2006年8 月、JR東日本ウォータービジネス設立とともに取締役営業本部長に。2009年6月から同社代表取締役社長。JR東日本ウォータービジネスはJR東日本 100%出資の飲料ビジネス会社で、エキナカを中心にブランドミックス自販機「acure」の展開やミネラルウオーター「From AQUA」などの企画製造、グループ向け飲料卸等を手掛ける。


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