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» 2009年11月04日 10時32分 UPDATE

神尾寿の時事日想:地方銀行と交通ICがコラボ――「ひろぎんPASPY」はなぜ生まれたか (1/3)

カード発行数15万4000枚。広島のバスや路面電車で使える交通ICカード「PASPY」には、「銀行ATMからチャージできる」という特徴がある。地方銀行と公共交通はなぜコラボしたのか?「ひろぎんPASPY」の関係者に話を聞いた。

[神尾寿,Business Media 誠]

著者プロフィール:神尾 寿(かみお・ひさし)

 IT専門誌の契約記者、大手携帯電話会社での新ビジネスの企画やマーケティング業務を経て、1999年にジャーナリストとして独立。ICT技術の進歩にフォーカスしながら、それがもたらすビジネスやサービス、社会への影響を多角的に取材している。得意分野はモバイルICT(携帯ビジネス)、自動車/ 交通ビジネス、非接触ICと電子マネー。現在はジャーナリストのほか、IRIコマース&テクノロジー社の客員研究員。2008年から日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、モバイル・プロジェクト・アワード選考委員などを勤めている。

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ay_kamio06.jpg 広島の交通IC「PASPY」のマーク。この表示があるところでPASPYカードを利用できる

 広島の交通IC「PASPY(パスピー)」をご存じだろうか。

 PASPYは広島電鉄および広島のバス事業者各社局が採用している交通ICカードだ。SuicaPASMOと同じくソニーの非接触IC 「FeliCa(フェリカ)」を用いており、2009年8月末時点で15万4000枚が発行済み。地域の交通ICカードとして着実に広がってきている。

 しかし、交通乗車券としての機能だけ見れば、PASPYは全国に広がるFeliCa系交通ICカードとして平凡なものだ。独自の電子マネーや特徴的なポイントプログラムはなく、地域の“共通バスカード”をICカード化しただけに見える。

 PASPYで注目なのは、地元の地方銀行である広島銀行が推進する「ひろぎんPASPY」の存在だ。同カードは広島銀行の銀行カードサービスとPASPYを連携させ、さらに地元紙である中国新聞の会員組織の機能を持たせるという、全国的にもめずらしい「地域密着型の異業種連携カード」になっている。

 ひろぎんPASPYとはどのようなものか。今日の時事日想は特別編として、9月16日に実施された「ひろしまカレッジフォーラム」の講演および広島銀行への単独インタビューから、ひろぎんPASPYの狙いと取り組みについて紹介する。

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