飛び石連休の谷間ということでただでさえ市場参加者も少なく買い気に乏しい中で、週末の米国市場が大幅下落、為替も大きく円高に振れたことから大幅下落となりました。ただ、逆に大きく下落したことで週末のヘッジ売りなどの買戻しもあり、寄り付きからの売りが一巡した後は底堅く、さらに売り叩く動きもないことから小動きとなりました。戻り歩調となる場面ではさすがに戻り売りもかさみ戻りも限定的となりましたが、大幅安ながらもパニック的な売りが出ることもなく底堅さも見られました。
消費者金融株などが規制緩和の思惑から上がりましたが、業績が好調とされる銘柄で円高メリットのある銘柄などが買われました。その中でもニトリ(9843)は業績好調と言うことで買われて堅調となりました。ここのところ調整となっていたことで、買い直されたものと思います。ちょうど先週昨年5月以来7度目の値下げを発表し、31日から値下げを実施したということが好感された面もあるものと思います。
値下げを頻繁に行うことで、買い控えが起きるのではないかと懸念していたのですが、昨日近くのターミナル駅の近くを歩いているとニトリで買ったと見られる布団などを抱えた方を何人も見かけ、値下げの効果が表れているのではないかと思われます。百貨店やいわゆるブランド店では特に紳士服売り場などは閑散としていますが、ユニクロ(ファーストリテイリング:9983)の店舗などはどこもレジに行列が出来ています。百貨店も駐車場もすんなり入れ、「デパ地下」だけが込んでいるという状況で、個人消費も一部の店舗に偏っているような感じです。
たまには休日に街をぶらぶらと「何が売れているのか」「どのような店が流行っているのか」などを観察して歩くのもいいのではないかと思います。駐車場などの込み具合などからも景気の良し悪しは垣間見られ、決算説明会に出席したり、業績発表数字を睨んでいなくても、大きな流れは十分に掴むことが出来るのではないかと思います。「百聞は一見にしかず」といいますが、個人消費動向などはまさにちょっと回りを見回すだけでも雰囲気はつかめるのではないでしょうか。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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