インタビュー
» 2009年10月30日 11時46分 UPDATE

逆転のカギは「BIG」、死地から甦ったサッカーくじ (1/4)

2001年に華々しく登場したものの、一時は売り上げ不振に陥ったスポーツ振興くじ。しかし、2006年に運営体制を変更し、さまざまな施策を進めたことで売り上げは急回復した。その好調の理由を日本スポーツ振興センターの真下智子氏と森田佳樹氏に尋ねた。

[Business Media 誠]

 近年、公営ギャンブルの売り上げ減少が著しい。2008年の日本中央競馬会(JRA)の年間売り上げは前年比0.4%減の2兆7563億円と11年連続で前年実績を下回り、2007年度の宝くじ販売実績額も前年度比4.5%減の1兆442億円と2年連続で前年実績を下回っている。

 公営ギャンブルに逆風が吹いている中、好調なのがスポーツ振興くじだ。2006年度の売り上げは135億円だったが、2007年度は637億円、2008年度は897億円と急速に販売額を伸ばしている。スポーツ振興くじを運営する日本スポーツ振興センターの真下智子氏と森田佳樹氏に好調の理由を聞いた。

ah_uriage.jpg スポーツ振興くじの年度別売り上げ推移(出典:日本スポーツ振興センター)

当初は好調だったものの、売り上げ不振に

 スポーツ振興くじ事業の発端は、日本のスポーツ関連予算が十分ではなかったことにある。1988年のソウルオリンピックでの日本のメダル獲得数は14個と、その前回のロサンゼルスオリンピックの32個を大きく下回ったことから、財源獲得のための方策が本格的に議論されるようになり、その一環として1998年に「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」が衆議院本会議で可決成立。指定されたJリーグの試合の結果または得点を予想して投票し、的中すると払戻金がもらえるtotoの全国販売が2001年から始まった。

 しかし、初年度は損益分岐点を大きく上回る643億円を売り上げたものの、年々売り上げは落ち込んでいき、2006年度の売り上げは135億円と損益分岐点を300億円近くも下回り、スポーツ振興のための助成金をほとんど捻出できない状況となってしまった。

 真下氏は「初年度は目新しさや話題性もあって多くのお客さまに楽しんでもらえたようです。しかし、当時は『13試合の結果を予想する』という商品であるtotoしかなく、予想に非常に手間がかかる割に当たりにくいということでお客さまは離れていってしまいました。さらに『100万通り以上の選択肢でないといけない』『年間の実施回数は50回以内』『対面で販売しなければならない』『試合当日は販売できない』などといったさまざまな規制があったことも、その一因だったのではないか」と振り返る。

ah_morimasi.jpg 日本スポーツ振興センターの森田佳樹氏(左)と真下智子氏(右)
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