カーナビを“チャリナビ”として使ってみた郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2009年10月29日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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ローカルスポット探しにぴったり

 そこでローカルスポットを探し当てる旅に出た。行く先は3カ所。ご近所のローストビーフで有名なお肉屋さん、行列のできるパン屋さん、そしてほくほくのシュークリーム屋さん。メインディッシュとパンとデザートのセットだ(笑)。

 予定距離は32キロ。まずは自宅から松戸市松飛台(11キロ)にあるお肉屋さんにGo! いつ雨が降ってもおかしくない空模様の中、心配しながら走り出す。商店街を抜け、JR常磐線の馬橋陸橋を越える。大型トラックに幅寄せされ、その走行音で音声案内はしばしば聴き取れない(大音量設定にしてもだめ)。

 国道6号線をアップダウンし、「21世紀の森と広場」を走り抜ける。両側が森の気持ちのいい道が近所にあるなんて知らなかった。近場なのに新鮮な気持ちになれた。しかも地図なしで走れるのは楽ちん。道行く人にナビの「300メートル先、右です」という音声案内を聞かれると、ちと恥ずかしいけれど(笑)。

 最初の目的地、お肉の「赤城屋」に到着。コロッケなど揚げ物も定評があるのだが、揚げるのは夕方からなので、定番のローストビーフを少々購入。次のパン屋さんへはここから8キロと表示された。


 車道も歩道も狭い郊外の田舎道路を切り抜けて、ドイツパン小屋「Zopf(ツォップ)」に。土曜の15時半なのに30分待ちの行列。しかも評判のカレーパンは売り切れていた、トホホ。並んでいるうちに雨が降ってきた。足を踏んで待ち続けてようやく店内に。小さな店内、手前から時計回りの一方通行でトングで選んでいく。ナビにメモしておこう(笑)。外に出るとポツポツが激しい。

 シュークリームのお店「スリジェ」はZopfのごく近所(数百メートル)にあるが、あきらめて家路に着く。実走行距離は27.22キロ。1店舗はしょったのと、道勘があってショートカットしたので、予定距離より短くなった。

自転車LSDにナビを

 クルマの間をヒラリと抜ける通勤サイクリストや、サイクリングロードを高速走行する人にはナビの必要性を感じない。でも、ゆっくりと一定距離を走り抜ける“Long Slow Distance(通称LSD=陸上トレーニング用語)”サイクリストには面白い。寄り道しながらローカル散歩。比較的広範囲に新発見ができるのが自転車のよさ。そのおともにナビはいい。

 道案内だけでなく、ネット情報と融合して、お店の評判やイベント案内なども電子ガイドにすると、LSDは“Local Shop Discovery(ご近所のお店探索)”の略にもなるし、Sが“Sundayにもなる(日曜日のご近所探索)。

 持ち運べるナビ、NV-U75の楽しさを発見した試用インプレッション。でもカーナビじゃなくても、今どきのGPS携帯なら近いことはできる。PCでGoogle Mapで行く先をチェックし、そのURLをiPhoneへメールで飛ばせば、地点間をナビしてくれる。ナビは“自転車LSD”の楽しさを広げてくれる便利なツールなのだ。

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