円高を嫌気する売りなどに押されて連日の大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月28日 16時21分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が今度はナスダック指数が大幅安となったことなどから売り先行となりました。寄り付きからの売りが一巡した後は底堅さも見られましたが、戻りが鈍く、後場に入ると円高が進んだことから一段安となりました。郵政民営化の逆行や増税懸念から景気回復の遅れを懸念する動きや金利上昇を嫌気する動きもあったものと思います。

 政権交代に株式市場が慣れていないこともありますが、政策のブレを気にして好決算を発表してもなかなか最後まで買い切れないようです。昨日、好決算を発表して買われた日立(6501)の動きが今の相場を如実に表しているのではないかと思います。昨日も一時大幅高となったものの買いが続かず上げ幅を縮小して終わり、本日は一転軟調となりました。好決算を発表する前の水準よりも安いという状況で、終わってみると好決算に反応し切れなかったということになってしまいます。

 ホンダ(7267)も同様に好決算を発表したものの大幅高とはなっているものの伸び悩んでおり、ADR(米預託証券)の水準まで買い切れないと言う状況です。これだけ買い気に乏しい理由はやはり「先が見えない」ということなのでしょう。政権交代で従来の経済の流れが全て否定されてしまい、逆回転であればそれなりに対処できるのでしょうが、逆回転となるのかどうかもわからない状況ではいつもこのコラムで述べているような大きな流れもつかめないということなのでしょう。

 ただ、最終的には新政権も景気回復の腰を折るわけにもいかず、何だかんだと理由をつけては景気浮揚策を取らざるを得なくなって来るのではないかと思います。新政権でも通用しそうな環境関連、それも「エコポイント」や「エコカー減税」ではなく、「環境」と言う広い範囲の中で、業績に直接反映するようなLED(発光ダイオード)関連や太陽電池などの「電池関連」そして国内小売りの「勝組」などが折に触れ取りざたされることになるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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