“寄付付き商品”続々、人気の秘密は(2/2 ページ)

» 2009年10月28日 08時00分 公開
[松尾順,Business Media 誠]
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寄付マーケティングの意味とは

 さて、商品購入に付随したオファー、あるいは、蓄積したポイントの交換対象などに「寄付」を提示する施策をとりあえず、「寄付マーケティング」と呼んでみたいと思います。この寄付マーケティングの「効果」についてですが、大きくは以下の2点があると言えます。

1.販売促進効果

 オイシックスの例で分かるように、消費者の購買意欲を後押しすることができる

2.ブランディング効果

 社会貢献意識の高い企業であるという好ましいブランドイメージ形成に役立つ


 従来、商品購入に付随するオファーとしては、消費者に何らかの景品を直接提供する「クローズド懸賞」が主流でしたが、今どき、オマケ的な安物の景品をもらっても、たいしてうれしくありません。しかも、ブランディング効果は、ほとんどないでしょう。ですから今後は、奇をてらったクローズド懸賞よりも、販売促進とブランディングの一石二鳥が期待できる「社会貢献に関連したオファー」がますます増えていくのではないでしょうか?

 もちろん、「寄付」を販売促進のための小手先の手段として、安易に採用するのは止めるべきでしょう。そもそも、企業活動全体との整合性や一貫性に留意する必要があります。社員に対して、「ブラック企業」などと言われてしまうような劣悪な処遇をしている企業が、偉そうに「寄付マーケティング」に取り組んでも、消費者は、その企業の浅はかさをすぐに感じ取ることでしょう。

 また、早速始めたはいいが、「さほどの効果がなかったから」「あるいは企業収益が低下してきたから」といった理由であっさり止めてしまうと、かえって消費者の不信を買い、ブランドイメージの低下につながること必至でしょうね。(松尾順)

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