“寄付付き商品”続々、人気の秘密は(1/2 ページ)

» 2009年10月28日 08時00分 公開
[松尾順,Business Media 誠]
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著者プロフィール:松尾順(まつお・じゅん)

早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。


 通信販売各社が、「寄付付き商品」に力を入れ始めています。日経MJ(2009年10月26日号)の記事によると、通販大手「ディノス」は11月1日、全商品に寄付をつけたカタログを発行予定とのことです。

 50代女性向けをメインターゲットにした同カタログには、衣料品から化粧品、アクセサリーまで約160点の多様な商品が掲載されます。ディノスでは、同カタログ掲載の1商品が売れるごとに、小児マヒのワクチン1人分相当の金額をNPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」に寄付するとのこと。

 また、食品通販の「オイシックス」では、今年9月、売り上げの10%をアフリカの貧困救済活動に寄付するお菓子の販売を開始しています。このお菓子の売上げは好調で、10月中旬には商品の種類を増やしています。

 オイシックスでは、上記企画以外にも2008年7月から約30点の食料品を対象に売り上げの3%を寄付する企画を展開してきており、これまで約4万点を販売。同社によると、「同じ価格なら、寄付付きの商品のほうが4倍以上売れている」とのことです。(同じく日経MJ、2009年10月26日号)

 『幸福の方程式 新しい消費のカタチを探る』(山田昌弘+電通チームハピネス著、ディスカバートゥエンティワン)、『「ワタシが主役」が消費を動かす』(日野佳恵子著、ダイヤモンド社)といった文献では、

  • 社会とつながっていたい
  • 社会に対してなんらかの貢献をしたい

 という消費者意識の高まりを背景として、社会貢献に結びつく消費行動が顕著になってきていると強調されていました。通販各社もこうした消費行動の変化への対応に積極的に対応しようとしているわけです。もちろん、通販業界に限らず、あらゆる業界の企業が、社会貢献に関連した様々な企画を展開しつつありますね。

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