週末の米国株が大幅下落となった割りには底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月26日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場が大幅安となったのですがその前日の大幅高への反応も鈍かったことやナスダック指数は底堅かったことなどから、日本市場も売り先行で始まったものの堅調な展開となりました。為替が円安に振れたことも輸出関連株などの買戻しを急がせる格好となり、指数を押し上げる要因となりました。また、内需関連銘柄も決算発表の本格化を前に、持高調整と見られる買戻しが入って底堅い堅調な展開となりました。

 特に理由の見当たらない中で大幅高となるものが見られ、決算を発表した銘柄が出尽くし感として業績上方修正にもかかわらず売られるというような相変わらず、物色対象のはっきりとしない、方向感のない、目先の需給に振らされる展開となりました。信用取引の売り残高が多いものが一気に買い戻されたり、ちょっとした理由しかないのに悪材料視されて大きく売られるなど、持高調整の売り買いもあったものと思われます。

 昨日の参議院補欠選挙でも民主党が勝ちましたが、市場ではやはり民主党政権に対する懸念が強いのか、評価する動きは見られなかったものと思います。決算の動向も4−9月までを見た場合でも、「景気対策」の効果が表れて収益が回復している企業が多く、このまま経済対策が続くのか、「エコポイントはどうなるのか」「高速道路はどうなるのか」などなど、政策の先行きが見えないことが売り急ぐ要因となっているのでしょう。これまでの自民党の政策を全て転換するのであれば、当然経済対策も廃止されてしまうのではないかとの懸念が根強く、好業績に素直に反応しきれないということなのでしょう。

 ただ、政策に関係のないところで、しっかりと自助努力、あるいは新興国の景気回復で収益を回復しているような企業は持高調整などで売られることはあってもすぐに反転して来るものと思われます。景気対策で業績が回復しているのか、その他の要因で回復しているのか、今後の業績回復のトレンドをしっかりと把握して、回復トレンドに乗っている銘柄に投資をするチャンスなのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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