週末の米国株が大幅下落となった割りには底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年10月26日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10362.62円 △79.63円
売買高 17億3035万株
日経平均先物 10360円 △70円
売買代金 1兆2332億円
TOPIX 910.72 △8.69
値上がり銘柄 1201銘柄
東証マザーズ指数 450.18 △1.56
値下がり銘柄 382銘柄
日経ジャスダック平均 1225.64円 ▼0.23円
変わらず 106銘柄
騰落レシオ 93.00% △5.28%

日経平均

週末の米国株が大幅下落となった割りには底堅い堅調な展開

 週末の米国市場は大幅安となりましたが、為替が円安に振れたことやナスダック指数は底堅かったことなどから、売り先行とはなったものの寄り付きの売りが一巡した後は切り返し、一時大幅高となるなど堅調な展開となりました。ただ、積極的に買い上がるだけの材料には乏しく、ここまで売られていた銘柄は買戻しで値を保つものの、円安などを好感して買われた輸出株などは上値も重くなりました。

 後場も相変わらず方向感のない展開でしたが、上値の重い展開となりました。前場の引け後や取引時間中に続々と決算が発表されたのですが、好決算、上方修正を発表しても出尽くし感や修正幅への失望感などを取りざたして目先筋の売りが続き、軟調となるものが多く見られました。相変わらず政策の先行きが不透明なことから業績の回復トレンドが続くのかどうか疑心暗鬼となり、業績が上向いていても素直に乗り切れないということなのでしょう。ディフェンシブ銘柄や空売りが積み上がっていたような銘柄は堅調となりましたが、明日に繋がるような雰囲気もなく相場全体を押し上げるような、他の銘柄への広がりは見られませんでした。

 小型銘柄はまちまちとなりました。目先の需給に振らされる状況は全く変わらず、東証マザーズ指数や二部株指数は堅調、、日経ジャスダック平均は横ばいとなりました。先物もまとまった売り買いは少なく、指数の方向感を出すまでには至りませんでした。前場こそ持高調整に伴うまとまた売り買いも散見されましたが、後場に入ってからは小口の手仕舞いの売り買いが中心となって、指数への影響は全くと言っていいほどありませんでした。

 堅調となったのですが、相変わらず盛り上りに欠ける展開となっています。目先の需給に振らされる状況には変わりなく、高いもの安いものを見ても明日につながるような雰囲気はなく、最後まで買い切れない、あるいは売り切れないという感じです。決算発表への反応も悲観的な見方が強く、上方修正への反応も限定的となっている割りに、空売りの積み上がっている銘柄などが特に材料もないな買われたりしています。方向感のない展開は政策の先行きが読めないことから致し方ないということなのかもしれませんが、「まだはもうなり、もうはまだなり」と言うことで動きは出てくるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線を抜けたと見てもいいのかもしれませんが、まだ絡みながらの動きと見ておいていいのでしょう。日々線は雲の上限に上値を押さえられた格好であり、まだまだ上値の重い展開が続きそうです。RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、いったんは基準線のサポートを確認する場面もありそうです。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が雲に上値を押さえられ、日々線は基準線に押さえられている状況には変わりありません。ストキャスティックスは高値圏からの調整となっているのですがRSIにはまだ上昇余地もあり、日々線が雲に突っかけるところまで上昇となる可能性もありそうです。ただ、その水準では上値の重さを確認することになるものと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き遅行線が日々線にサポートされて上昇しています。遅行線が絡む日々線が高値となることや日々線も雲に掛かってくること、RSIも上値余地はあるものの高値圏になっていることやストキャスティックスは高値圏にあることなどを考えるといったんは上値も重くなって来るのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

目先の需給に振らされる展開

JSR(4185) 1810 ▼68

 後場の取引時間中に2009年4−9月期決算を発表、稼働率の改善とコストダウン効果から連結営業利益を上方修正、最終損益も赤字幅縮小となったのですが、材料出尽くし感と上方修正幅が予想を下回ったことを嫌気して売られました。

コニカミノルタ(4902) 929 △54

 先週末の引け後に2010年3月期の連結純利益を従来の増益予想から一転減益予想に下方修正したのですが、特に売り急ぐ動きはなく、悪材料出尽くし感から買戻しを急ぐ展開となり、大幅高となりました。

ケーズHD(8282) 3020 △180

 昼の時間帯に2010年3月期の連結業績予想を上方修正、売上高は従来予想を下方修正となったが、収益率の向上で利益が上振れたことが好感されて大幅高となりました。

千代建(6366) 6366 ▼100

 先週末の引け後に2010年3月期連結業績予想の下方修正と減配を発表。加えて、大手証券が投資判断を引き下げたこともあり、寄り付きから売りがかさんで売り気配から始まり、ストップ安となりました。

日 通(9062) 382 △36

 日本郵政の郵便事業会社と設立した体は便事業の統合受け皿会社への出資比率を引き下げたと発表、赤字だった同社が持分方適用会社から外れることで業績圧迫要因が減少するとの見方から買いが先行、大手証券の投資判断の引き上げもあり、大幅高となりました。

川 重(7012) 240 △10

 買い気配から始まり大幅高となりました。本日付の新聞で技術供与する中国の企業が中国鉄道省から高速鉄道の車両を受注したと報じられたことを好感して買いが集まりました。

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