週末の手仕舞い売りもあってダウ平均は大幅安清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月26日 10時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9972.18▼109.13

<NASDAQ>2154.47▼10.82

<為替:NY終値>92.05-92.11

週末の手仕舞い売りもあってダウ平均は大幅安

 朝方発表された中古住宅販売は堅調、個別企業の決算もインターネット関連銘柄など予想を上回る決算を発表するものが多く、買い先行で始まりましたが、前日の大幅上昇の反動や週末の手仕舞い売りに加え、景気回復や商品市況の上昇によるインフレ懸念、来週の国債入札を控えての需給懸念から金利が上昇、商品価格が下落したこともあり、手仕舞い売りを急ぐ動きとなりました。一時、先日の上げ幅以上の下落となる場面もありましたが、好決算銘柄が下支えとなり、下げ幅縮小、ナスダック指数は底堅い展開となりました。

 経済指標が芳しくないうちは商品市況の上昇や企業決算が好調でもまだインフレ懸念は生じないのですが、経済指標が好転すると金利上昇も気になるようです。国債の入札での需給懸念なども出て、利益確定売りを急ぐ動きとなったようです。ただ、短期金利の誘導目標を上げるなど具体的に金融政策が変更となったわけでもなく、逆に金融政策を変更するほど企業業績が回復するともう少し、株価も上昇するのではないかと思います。

 個別には予想を上回る決算を発表しながら高安、明暗が分かれています。予想を上回る決算に加え、複数のアナリストが投資判断を引き上げたアマゾンドットコムは2割以上の急騰、マイクロソフトやキャピタル・ワン・フィナンシャルも大幅高となりました。ただ、同様に予想を上回る決算を発表しながらアメリカン・エキスプレスは大幅安、ハネウエルも軟調となりました。原油価格の下落をうけてエクソンモービルが売られ、中古住宅販売が予想を上回ったにもかかわらず、DRホートンやKBホームは前日の大幅高の反動で軟調となりました。慎重な見通しを示したブロードコムやバーリントン・ノーザン・サンタフェが大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円安を好感して買い先行で始まったものの、週末の手仕舞い売りや政策に対する不信感などから売りがかさみ上げ幅を縮小、小幅高となりました。業績の回復が見られる企業が多く、米国と同じ様に素直に好感する展開となるかと思われましたが政策の先行きが不透明なことから業績回復のトレンドが確認できず、最後まで買い切れないということのようです。

 週末の米国市場が軟調なったことで、日本市場は軟調な展開となりそうですが、円安を好感する動きや週末のヘッジ売りの買戻しなどから底堅くなるものと思います。海外市場で商品市況の上昇が一服となったことで、資源株などは利益確定売りや見切売りに押されるものも多くなりそうですが、インターネット関連銘柄などハイテク銘柄は業績回復や円安を好感して底堅さが見られるものと思います。決算発表の本格化を控えて業績の上方修正を発表するものも多いのですが、政策の先行き不透明感から上値を押さえられる状況には変わりないものと思います。

 参院補選で民主党が勝ったことでますます相場の上値を押さえることになりそうです。業績の上振れが期待されるなかで予算凍結など、政策効果で上方修正となったものが剥落してしまう可能性が否定できないことから指数も上値が重く、10500円から600円が上値の目処であることには変わりなさそうです。下値は目先的には10100円台半ばから200円台半ばの節目を押し目として確認するのでしょうが、政策のブレなどが見られ、「日本売り」と言うことになれば、9800円から900円水準まで下落となるのでしょう。本日は10200円前後の押し目を確認しながらも円安を好感する動きも見られ、底堅い展開が期待されます。

本日の注目点

◇臨時国会召集:鳩山首相が所信表明演説。

◇EU外相理事会(ルクセンブルク、27日まで)

◇7−9月の韓国国内総生産(GDP)

◇決算・4−9月期:JFEHD(5411)、カゴメ(2811)、信越化学工業(4063)、日本電産(6594)

◇決算・1−9月期:山崎製パン(2212)、長府製作所(5946)

◇決算・7−9月期:米ベライゾン、コーニング、台湾・奇美電子

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